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1株当たり当期利益に関する会計基準目次

(注)本内容は、企業会計基準委員会が平成14年9月25日に公表した「1株当り当期純利益に関する会計基準の適用指針」から「設例」の部分を抜粋したものです。なお、オリジナルとは異なる表現をしている部分があります。実務に適用するにあたっては念のために最新の当該適用指針等を確認してください。

企業会計基準適用指針第4号

1株当り当期純利益に関する会計基準の適用指針

(設例)

改正平成14年9月25日

企業会計基準委員会

目次

(潜在株式が存在する場合)

[設例1] 潜在株式が複数存在する場合の希薄化効果の有無

[設例2] ワラントが存在する場合

[設例3] 転換負債が存在する場合

[設例4] 転換株式が存在する場合

[設例5] 条件付発行可能普通株式が存在する場合

[設例6] 条件付発行可能潜在株式が存在する場合

[設例7] 子会社の発行する潜在株式が存在する場合

(その他)

[設例8] 非転換型の参加型株式が存在する場合

[設例9] 当期に株式分割が行われた場合

[設例10] 時価より低い発行価額での株主割当ての取扱い

[設例11] 普通株式以外の株式に係る1株当たり純資産額の算定

[設例12] 中間会計期間の取扱い


[設例1] 潜在株式が複数存在する場合の希薄化効果の有無

1.前提

 

(1) X1年度(X1年4月1日〜X2年3月31日)の当期純利益

500,000,000円

(2) 新株予約権

 

・行使価格

420円

・発行数

1,500,000個

(すべて行使されたと仮定した場合の普通株式の発行数)

(1,500,000株)

・普通株式の期中平均株価

630円

(3) 非累積型配当優先株式

 

・発行済株式数

625,000株

・X1年度の利益に係る処分による優先配当額

15,000,000円

・配当優先株式1株は普通株式1株に転換可能とする。

 

(4) 第1回転換社債型新株予約権付社債(一括法で処理されている。)

・転換価格

400円

・社債発行額(額面)

300,000,000円

(すべて転換されたと仮定した場合の普通株式の発行数)

(750,000株)

・X1年度の支払利息

15,000,000円

(5) 第2回転換社債型新株予約権付社債(一括法で処理されている。)

 

・転換価格

500円

・社債発行額(額面)

200,000,000円

(すべて転換されたと仮定した場合の普通株式の発行数)

(400,000株)

・X1年度の支払利息

20,000,000円

(6) (2)〜(5)について、期中に新株予約権の行使、転換等による普通株式の発行はなく、残高の増減はなかった。

 

(7) 普通株式 期中平均株式数

20,000,000株

(8) 法人税等の法定実効税率

40%

 

2.1株当たり当期純利益の算定

 

(1) 普通株式に係る当期純利益の算定

 

当期純利益

500,000,000円

普通株主に帰属しない金額

 

優先配当額

(15,000,000円)

普通株式に係る当期純利益

485,000,000円

(2) 1株当たり当期純利益の算定

 

普通株式に係る当期純利益/普通株式の期中平均株式数

=485,000,000円/20,000,000株=24.25円

 

 

3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定

(1) 潜在株式の希薄化効果

 
 

 

当期純利益

調整額

普通株式

増加数

増加普通株式1株当たりの当期純利益調整額

 

1株当た

り当期

純利益

希薄化効果

 

 

 

新株予約権

0

(*1)

500,000

0.00

24.25

有する

(第1位)

非累積型配当優先株式

15,000,000

625,000

24.00

24.25

有する

(第3位)

第1回転換社債型新株予約権付社債

(*2)

9,000,000

750,000

12.00

24.25

有する

(第2位)

第2回転換社債型新株予約権付社債

(*3)

12,000,000

400,000

30.00

24.25

有しない

(*1)1,500,000株×(630円-420円)/630円(算定方法は[設例2]の(*3)を参照のこと。)

(*2)15,000,000円×(1−0.4)

(*3)20,000,000円×(1−0.4)

 第2回転換社債型新株予約権付社債は希薄化効果を有しないため、潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定には含めない。

(2) 潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定

希薄化効果の大きな潜在株式から勘案する。

 
 

普通株式に係

る当期純利益

当期純利

益調整額

普通株式の期

中平均株式数

普通株式

増加数

潜在株式調整

後1株当たり

当期純利益

1株当たり当期純利益

485,000,000

20,000,000

24.25

新株予約権

 

500,000

 

 

485,000,000

20,500,000

23.66

(希薄化の増加)

第1回転換社債

型新株予約権付社債

9,000,000

750,000

 

 

494,000,000

21,250,000

23.25

(希薄化の増加)

非累積型配当優先株式

15,000,000

625,000

 

 

509,000,000

21,875,000

23.27

(希薄化の減少)

 よって、最大希薄化効果を有する潜在株式調整後1株当たり当期純利益は23.25円となる。

 なお、潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定に含まれなかった第2回転換社債型新株予約権付社債及び非累積型配当優先株式については、その概要を注記することとなる(第38項(5)参照)。

 

[設例2] ワラントが存在する場合

1. 前提

 

(1) X1年度(X1年4月1日〜X2年3月31日)の当期純利益

100,000,000円

(2) 新株予約権

・行使価格

500円

・X1年10月31日に発行された数

880,000個

(すべて行使されたと仮定した場合の普通株式の発行数)

(880,000株)

・X2年1月31日に行使された数

200,000個

・発行時から期末までの期間における平均株価

(X1年10月31日〜X2年3月31日)

750円

・発行時から行使時までの期間における平均株価

(X1年10月31日〜X2年1月31日)

700円

・新株予約権の行使を含む新株の効力発生日を払込期日としている。

(3) 普通株式の発行済株式数の状況

期首残高

2,500,000株

X2年1月31日 新株予約権の行使

200,000株

期末残高

2,700,000株

 

2.1株当たり当期純利益の算定

(1) 普通株式の期中平均株式数の算定

 
 

発行済

株式数

期末まで

の期間

期中平均

株式数

X1年4月1日 期首残高

2,500,000株

365日

2,500,000株

X2年1月31日 新株予約権の行使

200,000株

59日

32,329株

X2年3月31日 期末残高

2,700,000株

 

2,532,329株

又は

 
 

発行済

株式数

期間

期中平均

株式数

X1年4月1日〜X2年1月31日

2,500,000株

306日

2,095,891株

X2年2月1日〜X2年3月31日

2,700,000株

59日

436,438株

   

365日

2,532,329株

(2) 1株当たり当期純利益の算定

普通株式に係る当期純利益/普通株式の期中平均株式数

=100,000,000円/2,532,329株=39.49円

 

3. 潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定

(1) 普通株式増加数の算定

 
 

発行時に

おける普

通株式

増加数

平均株価に

て買い受け

たと仮定し

た場合の普

通株式数

差引

期末又は

行使時ま

での期間

期間に応じ

た普通株式

増加数

期末までに行使されていない新株予約権(X1年10月31日〜X2年3月31日)

680,000株

(*1)

453,333株

(*3)

226,667株

151日

93,772株

行使された新株予約権(X1年10月31日〜X2年1月31日)

200,000株

(*2)

142,857株

(*3)

57,143株

92日

14,403株

880,000株

 

 

 

108,175株

(*1) 680,000株×500円/750円

(*2) 200,000株×500円/700円

(*3) 以下の方法で一括して計算しても同じ結果が得られる。

発行時における普通株式増加数×(期中平均株価−行使価格)/期中平均株価

 

(2) 潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定

普通株式に係る当期純利益/(普通株式の期中平均株式数+普通株式増加数)

=100,000,000円/(2,532,329株+108,175株)=37.87円

 

[設例3] 転換負債が存在する場合

1. 前提

 

(1) X1年度(X1年4月1日〜X2年3月31日)の当期純利益

100,000,000円

(2) 転換社債型新株予約権付社債(一括処理されている。)

・転換価格

500円

・X1年10月31日の発行額(額面)

440,000,000円

(すべて転換されたと仮定した場合の普通株式の発行数)

(880,000株)

・X2年1月31日の転換により発行された普通株式数

200,000株

・X1年度の支払利息

5,000,000円

・転換社債型新株予約権付社債の転換を含む新株の効力発生日を払込期日の翌日としている。

(3) 普通株式の発行済株式数の状況

期首残高

2,500,000株

X2年1月31日 転換社債型新株予約権付社債の転換

   200,000株

期末残高

2,700,000株

(4) 法人税等の法定実効税率

40 %

 

2. 1株当たり当期純利益の算定

(1) 普通株式の期中平均株式数の算定

 
 

発行済

株式数

期末まで

の期間

期中平均

株式数

X1年4月1日 期首残高

2,500,000株

365日

2,500,000株

X2年1月31日 転換社債型新株予約権付社債の転換

200,000株

59日

32,329株

X2年3月31日 期末残高

2,700,000株

 

2,532,329株

又は

 
 

発行済

株式数

期間

期中平均

株式数

X1年4月1日〜X2年1月31日

2,500,000株

306日

2,095,891株

X2年2月1日〜X2年3月31日

2,700,000株

59日

436,438株

   

365日

2,532,329株

 

(2) 1株当たり当期純利益の算定

普通株式に係る当期純利益/普通株式の期中平均株式数

=100,000,000円/2,532,329株=39.49円

3. 潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定

(1) 当期純利益調整額の算定

転換社債型新株予約権付社債の支払利息5,000,000円×(1−0.4)=3,000,000円

(2) 普通株式増加数の算定

 
 

発行時における

普通株式増加数

期末又は転換時までの期間

期間に応じた

普通株式増加数

期末までに転換されていない転換社債型新株予約権付社債(X1年10月31日〜X2年3月31日)

680,000 株

151日

281,315株

転換された転換社債型新株予約権付社債(X1年10月31日〜X2年1月31日)

200,000株

92日

50,411株

 

880,000株

 

331,726株

又は

 
 

発行時における

普通株式増加数

期間

期間に応じた

普通株式増加数

X1年10月31日〜X2年1月31日

880,000株

92日

221,808株

X2年2月1日〜X2年3月31日

680,000株

59日

109,918株

   

151日

331,726株

 

(3) 潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定

(普通株式に係る当期純利益+当期純利益調整額)/(普通株式の期中平均株式数+普通株式増加数)

=(100,000,000円+3,000,000円)/(2,532,329株+331,726株)=35.96円

 

[設例4] 転換株式が存在する場合

1. 前提

 

(1) X1年度(X1年4月1日〜X2年3月31日)の当期純利益

300,000,000円

(2) 配当優先株式

 

・期首の発行済株式数

2,000,000株

・優先株式1株は普通株式2株に転換可能である。

(すべて転換されたと仮定した場合の普通株式の発行数)

(4,000,000株)

・X1年9月30日に、500,000株について普通株式1,000,000株に転換された。

 

・優先配当は、期末の配当優先株式1株あたり年4円であり、累積型である。ただし、普通株式配当後の配当に参加できない。

 

・配当優先株式の転換を含む新株の効力発生日を払込期日としている。

 

(3) 普通株式の発行済株式数の状況

 

期首残高

50,000,000株

X1年9月30日 配当優先株式の転換

   1,000,000株

期末残高

  51,000,000株

 

2. 1株あたり当期純利益の算定

(1) 普通株式に係る当期純利益の算定

 

当期純利益

300,000,000円

普通株主に帰属しない金額

 

優先配当額((2,000,000−500,000)株×4円)

(6,000,000円)

普通株式に係る当期純利益

294,000,000円

 

(2) 普通株式の期中平均株式数の算定

 
 

発行済

株式数

期末まで

の期間

期中平均

株式数

X1年4月1日 期首残高

50,000,000株

365日

50,000,000株

X1年9月30日 配当優先株式の転換

1,000,000株

182日

498,630株

X2年3月31日 期末残高

51,000,000株

 

50,498,630株

又は

 
 

発行済

株式数

期間

期中平均

株式数

X1年4月1日〜X1年9月30日

50,000,000株

183日

25,068,493株

X1年10月1日〜X2年3月31日

51,000,000株

182日

25,430,137株

   

365日

50,498,630株

 

(3) 1株当たり当期純利益の算定

普通株式に係る当期純利益/普通株式の期中平均株式数

=294,000,000円/50,498,630株=5.82円

3. 潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定

(1) 当期純利益調整額の算定

優先配当額 (2,000,000−500,000)株×4円=6,000,000円

(2) 普通株式増加数の算定

 
 

期首におけ

る普通株式

増加数

期末又は

転換時ま

での期間

期間に応じ

た普通株式

増加数

期末まで転換されていない配当優先株式(X1年4月1日〜X2年3月31日)

3,000,000株

365日

3,000,000株

転換された配当優先株式

(X1年4月1日〜X1年9月30日)

1,000,000株

183日

501,370株

 

4,000,000株

 

3,501,370株

又は

 
 

期首におけ

る普通株式

増加数

期間

期間に応じ

た普通株式

増加数

X1年4月1日〜X1年9月30日

4,000,000株

183日

2,005,480株

X1年10月1日〜X2年3月31日

3,000,000株

182日

1,495,890株

   

365日

3,501,370株

 

(3) 潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定

(普通株式に係る当期純利益+当期純利益調整額)/(普通株式の期中平均株式数+普通株式増加数)

=(294,000,000円+6,000,000円)/(50,498,630株+3,501,370株)=5.56円

 

[設例5] 条件付発行可能普通株式が存在する場合

1. 前提

 

(1) X1年度(X1年4月1日〜X2年3月31日)の当期純利益

100,000,000円

(2) 前年度の合併に際し、X1年4月1日〜X4年3月31日の当期純利益の累計が80,000,000円以上の場合、吸収合併消滅会社の旧株主に普通株式2,000,000株を発行することが合意されている。

(3) 普通株式の期中平均及び期末の発行済株式数

10,000,000株

 

2.1株当たり当期純利益の算定

最終的な条件の判定が将来(X4年3月31日)であり、条件を満たしていないため、条件付発行可能普通株式は普通株式の期中平均株式数に含めない。

普通株式に係る当期純利益/普通株式の期中平均株式数

=100,000,000円/10,000,000株=10.00円

3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定

X2年3月31日を条件期間末としたときに当該条件を満たすため、将来条件が満たされたときに発行することが合意されている2,000,000株を普通株式増加数として分母に加算する。

普通株式に係る当期純利益/(普通株式の期中平均株式数+普通株式増加数)

=100,000,000円/(10,000,000株+2,000,000株)=8.33円

 

[設例6] 条件付発行可能潜在株式が存在する場合

1.前提

 

(1) X1年度(X1年4月1日〜X2年3月31日)の当期純利益

100,000,000円

(2) 前年度の合併に際し、X1年4月1日〜X4年3月31日の当期純利益の累計が80,000,000円以上の場合、被合併会社の旧株主に付与された新株予約権が行使可能となることが合意されてる。

 

・新株予約権の行使価格

450円

・新株予約権の発行数

2,000,000個

(行使されたと仮定した場合の普通株式の発行数)

(2,000,000株)

・普通株式の期中平均株価

500円

(3) 普通株式の期中平均及び期末の発行済株式数

10,000,000株

 

2.1株当たり当期純利益の算定

最終的な条件の判定が将来(X4年3月31日)であり、新株予約権は行使条件を満たしていないため、普通株式の期中平均株式数に含めない。

普通株式に係る当期純利益/普通株式の期中平均株式数

=100,000,000円/10,000,000株=10.00円

3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定

X2年3月31日を条件期間末としたときに当該条件を満たし、かつ、条件付発行可能潜在株式が希薄化効果を有する(新株予約権の行使価格 450円<期中平均株価500円)ため、潜在株式に含めて普通株式増加数を算定する。

(1) 普通株式増加数

2,000,000株×(500円−450円)/500円=200,000株

(2) 潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定

普通株式に係る当期純利益/(普通株式の期中平均株式数+普通株式増加数)

=100,000,000円/(10,000,000株+2000,000株)=9.80円

 

[設例7] 子会社の発行する潜在株式が存在する場合

1.前提

 

(1) X1年度(X1年4月1日〜X2年3月31日)の当期純利益

 

連結上の当期純利益

700,000,000円

子会社の当期純利益

240,000,000円

(2) 子会社は、X1年10月31日に次の条件で新株予約権を発行した。

 

・行使価格

200円

・X1年10月31日に発行された数

1,800,000個

(すべて行使されたと仮定した場合の子会社普通株式の発行数)

(1,800,000株)

うち親会社引受分

400,000個

(22.2%)

・発行時から期末までの期間における子会社普通株式の平均株価

250円

(3) 子会社は、X1年11月30日に次の条件で転換社債型新株予約権付社債(一括法で処理されている。)を発行した。

 

・転換価格

220円

・発行額(額面)

264,000,000円

(すべて転換されたと仮定した場合の子会社普通株式の発行数)

(1,200,000株)

うち親会社引受分

26,400,000円

(10%)

・X1年度の支払利息

2,400,000円

(4) 期中に新株予約権の行使、転換権の行使等による子会社普通株式の発行はないものとする。

 

(5) その他

 

・親会社の普通株式の発行済株式数

50,000,000株

・子会社の普通株式の発行済株式数

10,000,000株

うち親会社の持株数

8,000,000株

(80%)

・法人税等の法定実効税率

40%

・(2)の新株予約権及び(3)の転換社債型新株予約権付社債の発行時において、それらの行使又は転換により普通株式を取得したと仮定した場合、持分変動差額(みなし売却価額と親会社の持分の減少額との間の差額)は生じないとする。

 

 

2.1株当たり当期純利益(連結)の算定

普通株式に係る当期純利益/普通株式の期中平均株式数

=700,000,000円/50,000,000株=14.00円

3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益(連結)の算定

(1) 当期純利益調整額の算定

 

 

行使及び転換

の仮定前

行使の仮定後

転換の仮定前

行使及び転換

の仮定後

子会社の当期純利益

240,000,000円

240,000,000円

240,000,000円

転換社債型新株予約権付社債の転換を仮定したことによる支払利息(税額相当額控除後)の減少

 

 

1,440,000円

(*1)

 

240,000,000円

240,000,000円

241,440,000円

親会社持分比率

80.00%

 

79.15%

(*2)

 

76.54%

(*2)

親会社に帰属する子会社の当期純利益

192,000,000円

189,960,000円

184,798,176円

新株予約権の行使及び転換社債型新株予約権付社債の転換仮定前の親会社に帰属する子会社の当期純利益

192,000,000円

192,000,000円

192,000,000円

差引

0円

(2,040,000円)

(7,201,824円)

転換社債型新株予約権付社債の転換を仮定したことによる親会社の受取利息(税額相当額控除後)の減少

 

 

 

(144,000円)

(*3)

当期純利益調整額

0円

(2,040,000円)

(7,345,824円)

 

新株予約権の行使を仮定した場合の当期純利益調整額は、2,040,000円である。これに加えて転換社債型新株予約権付社債の転換を仮定した場合の当期純利益調整額は、7,345,824円へ増加する。分母の親会社株式数は変わらないことから、新株予約権の行使と転換社債型新株予約権付社債の転換の両方を仮定する場合が最大の希薄化効果を有する。このため、この場合について、潜在株式調整後1株当たり当期純利益を算定する。

(*1) 2,400,000円×(1−0.4)

(*2) 親会社持分比率の変更

 

 

発行済

株式数

行使によ

る普通株

式増加数

小計

転換によ

る普通株

式増加数

普通株式

の期中平

均株式数

普通株式

増加数

連結子会社

10,000,000

(#1)

148,932

10,148,932

(#3)

397,808

10,546,740

親会社の持株数

8,000,000

(#2)

33,096

8,033,096

(#4)

39,781

8,072,877

親会社持分比率

80.00%

 

79.15%

 

76.54%

(#1)1,800,000株×(250円−200円)/250円×151日/365日=148,932株

(#2)400,000株×(250円−200円)/250円×151日/365日=33,096株

(#3)1,200,000株×121日/365日= 397,808株

(#4)1,200,000株×26,400,000円/264,000,000円×121日/365日=39.781株

(*3) 2,400,000円×26,400,000円/264,000,000円×(1−0.4)=144,000円

 

(2) 潜在株式調整後1株当たり当期純利益(連結)の算定

(普通株式に係る当期純利益+当期純利益調整額)/普通株式の期中平均株式数

=(700,000,000円−7,345,824円)/50,000,000株=13.85円

 

[設例8] 非転換型の参加型株式が存在する場合

1. 前提

 

(1) X1年(X1年4月1日〜X2年3月31日)の当期利益

200,000,000円

(2) 配当優先株式

 

・期中平均及び期末の発行済株式数

6,000,000株

・優先配当は、期末の配当優先株式1株当たり年11円支払う累積型であり、普通株式に1株当たり4.2円の配当を支払った後、配当優先株式は普通株式と1:4の比率(1株当たりベース)で配当に参加できる。

 

・配当優先株式は、普通株式に転換できない。

 

(3) 普通株式 期中平均及び期末の発行済株式数

10,000,000株

 

2. 1株当たり当期純利益の算定

 

(1) 参加可能額の算定

 

 

当期純利益

 

200,000,000円

配当優先株式への配当(6,000,000株×11円)

(66,000,000円)

 

普通株式への配当(10,000,000株×4.20円)

(42,000,000円)

(108,000,000円)

当期純利益のうち当期の配当後に参加できる額

 

92,000,000円

 ここで、配当優先株式1株当たりの参加可能額をXとすれば、普通株式1株当たり配当可能額は4Xとなる。

 (X×6,000,000)+(4X×10,000,000)=92,000,000

 したがって、配当優先株式1株当たりの参加可能額Xは2円と算定される。

 

(2) 普通株式に係る当期純利益の算定

 

 

当期純利益

 

200,000,000円

普通株式に帰属しない金額

 

 

優先配当額(6,000,000株×11円)

(66,000,000円)

 

配当優先株式の参加可能額(6,000,000株×2円)

(12,000,000円)

(78,000,000円)

普通株式に係る当期純利益

 

122,000,000円

 

(3) 配当優先株式に係る当期純利益の算定

 

 

優先配当額(6,000,000株×11円)

 

66,000,000円

配当優先株式の参加可能額(6,000,000株×2円)

 

12,000,000円

 

 

78,000,000円

 

(4) 1株当たり当期純利益の算定

・普通株式

普通株式に係る当期純利益/普通株式の期中平均株式数

=122,000,000円/10,000,000株=12.20円

・配当優先株式

配当優先株式に係る当期純利益/配当優先株式の期中平均株式数

=78,000,000円/6,000,000株=13.00円

 

[設例9] 当期に株式分割が行われた場合

1. 前提

 

(1) X1年度(X1年4月1日〜X2年3月31日)の当期純利益

1,000,000,000円

(2) 転換社債型新株予約権付社債(一括法で処理されている。)

 

・当初の転換価格

450円

・期首残高(額面)

5,000,000,000円

(20%の株式分割が期首に行われたと仮定し、期首にすべて転換されたと仮定した場合に発行される普通株式数は13,333,333株である。)

 

・X1年12月31日の株式分割後の転換価格

375円

・X1年6月30日の転換により発行された株式数

2,500,000株

・X2年1月31日の転換により発行された株式数

2,000,000株

・X1年度の支払利息

200,000,000円

(3) 株式分割については基準日の翌日を新株の効力発生日とし、その他については払込期日の翌日とする。

 

(4) 普通株式の発行済株式数の状況

 

期首残高

20,000,000株

X1年6月30日 転換社債型新株予約権付社債の転換

2,500,000株

X1年8月31日 時価発行増資

5,000,000株

X1年12月31日 20%の株式分割

5,500,000株

X2年1月31日 転換社債型新株予約権付社債の転換

2,000,000株

期末残高

35,000,000株

(5) 法人税等の法定実行税率

40%

 

2. 1株当たり当期純利益の算定

(1) 普通株式の期中平均株式数の算定

20%の株式分割が期首に行われたと仮定する。

 

 

発行済

株式数

期末まで

の期間

期中平均

株式数

期首残高

24,000,000株

(*1)

365日

24,000,000株

X1年6月30日 転換社債型新株予約権付社債の転換

3,000,000株

(*2)

274日

2,252,055株

X1年8月31日 時価発行増資

6,000,000円

(*3)

212日

3,484,932株

X1年12月31日 20%の株式分割

 

 

 

X2年1月31日 転換社債型新株予約権付社債の転換

2,000,000円

(*4)

59日

323,288株

 

35,000,000株

 

30,060,275株

(*1) 20,000,000株×1.2

(*2) 2,500,000株×1.2又は2,500,000株×450円/375円

(*3) 5,000,000株×1.2

(*4) 株式分割後に行われているため、20%の調整は要しない。

 

(2) 1株当たり当期純利益の算定

普通株式に係る当期純利益/普通株式の期中平均株式数

=1,000,000,000円/30,060,275株=33.27株

3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定

(1) 当期純利益調整額の算定

転換社債型新株予約権付社債の支払利息 200,000,000円×(1−0.4)=120,000,000円

(2) 普通株式増加数の算定

 
 

期首における

普通株式増加数

期末又は

転換時ま

での期間

期間に応じた

普通株式増加数

期末まで転換されていない転換社債型新株予約権付社債(X1年4月1日〜X2年3月31日)

8,333,333株

365日

8,333,333株

X1年6月30日に転換された転換社債型新株予約権付社債(X1年4月1日〜X1年6月30日)

3,000,000株

91日

747,945株

X2年1月31日に転換された転換社債型新株予約権付社債(X1年4月1日〜X2年1月31日)

2,000,000株

306日

1,676,712株

 

13,333,333株

10,757,990株

又は

 

 

普通株式増加数

20%の株式分割が期首に行われたと仮定し、期首にすべて転換されたと仮定した場合に発行される普通株式数

 

13,333,333株

普通株式の期中平均株式数に含まれている転換済普通株式数

X1年6月30日に転換されて転換社債型新株予約権付社債

(2,252,055株)

 

X2年1月31日に転換された転換社債型新株予約権付社債

(323,288株)

(2,575,343株)

 

 

10,757,990株

 

(3) 潜在株式調整後1株当たり利益の算定

(普通株式に係る当期純利益+当期純利益調整額)/(普通株式の期中平均株式数+普通株式増加数)

=(1,000,000,000円+120,000,000円)/(30,060,275株+10,757,990株)=27.44円

 

[設例10] 時価より低い払込金額による株主への割当ての取扱い

1.前提

 

(1) 各期の当期純利益

 

X1年度(X1年4月1日〜X2年3月31日)

220,000,000円

X2年度(X2年4月1日〜X3年3月31日)

300,000,000円

(2) 株主割当て(払込日 X2年5月31日)

 

・発行済株式5株に対し新株1株(新株合計は1,000,000株)

 

・発行価格

200円

・株主割当直前の普通株式の時価

440円

・新株の効力発生日については払込期日 の翌日とする。

 

(3) 普通株式の発行済株式数の状況

 

X1年度期首及び期末残高

5,000,000株

X2年5月31日 株主割当

1,000,000株

X2年度期末残高

6,000,000株

 

2.1株当たり当期純利益の算定

(1) 1株当たり理論的権利落価値の算定

(株主割当前発行済株式の時価総額+株主割当による発行額)/(株主割当前発行済株式数+株主割当による発行株式数)

=(440円×5,000,000株+200円×1,000,000株)/(5,000,000株+1,000,000株)

=400円

(2) 調整係数の算定

1株当たり割当て前時価/1株当たり理論的権利価格

=440円/400円=1.1

調整額が1.1なので、10%の株式分割に相当する。

(3) 普通株式の期中平均株式数の算定

10%の株式分割相当部分は期首に行われたと仮定する。

 

 

発行済

株式数

期末又は

割当時ま

での期間

期中平均

株式数

@ X1年度

(*1)

5,500,000株

365日

5,500,000株

A X2年度

株主割当前

(X2年4月1日〜X2年5月31日)

(*1)

5,500,000株

61日

919,178株

株主割当後

(X2年6月1日〜X3年3月31日)

6,000,000株

304日

4,997,260株

 

 

 

5,916,438株

(*1) 5,000,000株×1.1

 

(4) 1株当たり当期純利益の算定

@ X1年度の1株当たり当期純利益(株主割当の影響を含む)

220,000,000円/5,500,000株=40.00 円

A X2年度の1株当たり当期純利益(株主割当の影響を含む)

300,000,000円/5,916,438株=50.71円

 

[設例11] 普通株式に係る1株当たり純資産額の算定

1. 前提

 

(1)資本の部 (X1年3月31日)

 

資本金(普通株式)

1,000,000,000円

資本金(議決権制限株式)

100,000,000円

利益剰余金

500,000,000円

合計

1,600,000,000円

(2) 普通株式の発行済株式数(X1年3月31日)

5,000,000株

(3) 議決権制限株式について

・議決権制限株式を有する株主は、利益処分の決議についてのみ議決権を行使できる。

・利益配当金は、普通株式1に対して、議決権制限株式1.2(1株当たり)を支払う。ただし、普通株式よりも優先的ではない。

・発行済株式数(X1年3月31日) 500,000株

・残余財産の分配を行うときは、資本金を超える残余財産の分配について、普通株式1に対して、議決権制限株式1.2(1株当たり)を支払う。ただし、普通株式よりも優先的ではない。

   

2. 1株当たり純資産額の算定

(1) 利益剰余金の議決権制限株式への残余財産相当額

500,000,000円×(500,000株×1.2)/(5,000,000株+500,000株×1.2)

=53,571,429円

(2) 普通株式に対する1株当たり純資産額の算定

(1,600,000,000円−100,000,000円−53,571,429円)/5,000,000株=289.29円

(3) 議決権制限株式に対する1株当たり純資産額の算定

(100,000,000円+53,571,429円)/500,000株=307.14

 

[設例12] 中間会計期間の取扱い

1. 前提

 

(1) X1年度(X1年4月1日〜X2年3月31日)の当期(中間)純利益は以下の通りとする。

X1年4月1日〜X1年9月30日

30,000,000円

X1年10月1日〜X2年3月31日

50,000,000円

事業年度合計

80,000,000円

(2) 転換社債型新株予約権付社債(一括法で処理している。)

 

・転換価格

500円

・期首残高(額面)

100,000,000円

(すべて転換されたと仮定した場合の普通株式の発行数)

(200,000株)

・転換社債型新株予約権付社債の利率

4%

・すべての転換社債型新株予約権付社債はX1年10月31日に転換された。

(3) 新株予約権

・行使価格

500円

・発行数

500,000個

(すべて転換されたと仮定した場合の普通株式の発行数)

(500,000株)

・すべての新株予約権はX1年11月30日に転換された。

 

・X1年度中、各期間の普通株式の平均株価は以下のとおりとする。

 

X1年4月1日〜X1年9月30日

450円

X1年4月1日〜X1年11月30日

600円

(4) 普通株式の発行済株式数の状況

 

期首残高

3,300,000株

X1年8月31日 時価発行増資

100,000株

X1年10月31日 転換社債型新株予約権付社債の転換

200,000株

X1年11月30日 新株予約権の行使

500,000株

期末残高

4,100,000株

(5) 新株(転換社債型新株予約権付社債の転換、新株予約権の行使を含む)の効力発生日を払込期日の翌日としている。

 

(5) 法人税等の法定実効税率

40%

 

2. 中間会計期間(X1年4月1日〜X1年9月30日)の取扱い

 

(1) 1株当たり中間純利益の算定

普通株主に係る中間純利益

30,000,000円

 

発行済

株式数

中間末ま

での期間

期中平均

株式数

期首残高

3,300,000株

183日

3,300,000株

X1年8月31日 時価発行増資

100,000株

30日

16,393株

 

 

 

3,316,393株

1株当たり中間純利益(30,000,000円÷3,316,393株)

9.05円

 

 

(2) 潜在株式調整後1株当たり中間利益の算定

 

普通株主に係る中間純利益

30,000,000円

中間純利益調整額(転換社債型新株予約権付社債の支払利息)

1,203,288円

(*1)

 

31,203,288円

普通株主の期中平均株式数

3,316,393株

普通株式増加数

 

転換社債型新株予約権付社債の転換

200,000株

新株予約権の行使

0株

(*2)

 

3,516,393株

潜在株式調整後1株当たり中間純利益(31,203,288円÷3,516,393株)

8.87円

(*1) 100,000,000円×4%×(1−0.40)×183日/365日

(*2) 希薄化効果を有していないため、行使を仮定しない。

 

3. 事業年度(X1年4月1日〜X2年3月31日)の取扱い

 

(1) 1株当たり当期純利益の算定

普通株主に係る当期純利益

80,000,000円

 

発行済

株式数

期末まで

の期間

期中平均

株式数

期首残高

3,300,000株

365日

3,300,000株

X1年8月31日 時価発行増資

100,000株

212日

58,082株

X1年10月31日 転換社債型新株予約権付社債の転換

200,000株

151日

82,740株

X1年11月30日 新株予約権の行使

500,000株

121日

165,753株

 

 

 

3,606,575株

1株当たり当期純利益(80,000,000円÷3,606,575株)

 

 

22.18円

(2) 潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定

普通株主に係る当期純利益

80,000,000円

当期純利益調整額(転換社債型新株予約権付社債の支払利息)

1,407,123円

(*3)

 

81,407,123円

普通株主の期中平均株式数

3,606,575株

普通株式増加数

 

転換社債型新株予約権付社債の転換

117,260株

(*4)

新株予約権の行使

55,708株

(*5)

 

3,779,543株

潜在株式調整後1株当たり当期純利益(81,407,123円÷3,779,543株)

21.54円

(*3)100,000,000円×4%×(1−0.40)×214日/365日

(*4)200,000株×214日/365日

(*5)500,000株×(600円−500円)/600円×244日/365日

 


INDEX

1株当たり当期利益に関する会計基準目次

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