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目次

 

(注)本内容は、企業会計審議会が昭和63年5月26日に公表した「セグメント情報の開示に関する意見書」から「セグメント情報開示基準」を除いたものです。

セグメント情報の開示に関する意見書

昭和六十三年五月二十六日

企業会計審議会第一部会

 

目次

一 セグメント情報の開示基準の設定について

二 セグメント情報開示制度の運用等について


一 セグメント情報の開示基準の設定について

1 最近、我が国の企業は、経営の多角化、国際化等の傾向を急速に強めてきており、これに伴って証券取引法に基づく企業内容開示制度をめぐる諸環境も著しく変化してきている。このような変化に対処するため、大蔵省証券局においては現行の企業内容開示制度について発行開示手続の簡素化と開示内容の充実の両面から全般的な見直しを進めてきており、先般、発行開示制度については所要の法改正等の措置が講じられたところである。

当審議会においては、このような状況をを踏まえ、去る昭和六十一年十月三十一日付の第一部会小委員会中間報告「証券取引法に基づくディスクロージャー制度における財務情報の充実について」において、(1)連結財務諸表に付随する情報の開示及び連結財務諸表の提出期限に係る特例措置の廃止、(2)資金繰り情報の改善(資金収支表の作成)を提言し、併せて(3)セグメント情報の充実について前向きに対応し、その具体的な検討を進めることが適当である旨の意見を表明した。

2 上記の(1)及び(2)については、関係省令等の改正を通じて、既にその制度化が図られたところであるが、(3)については、その有用性、実行可能性、経済的影響、国際的調和等の観点から慎重に検討する必要があるため、引き続き第一部会小委員会を中心として審議を重ね、併せてその審議に必要な基礎資料を得るため、昭和六十二年六月に、セグメント情報の作成者側(連結財務諸表提出会社一,二〇八社のうち六八三社)及びその利用者側(金融機関、保険会社、証券会社、投資顧問会社、研究機関等三七六社のうち二二九社)を対象としてアンケート調査を実施した。

このアンケート調査においては、作成者側については、「経営の多角化の状況」、「内部管理の状況」及び「外国向けのセグメント情報の開示状況等」に関する実態調査と「セグメント情報の制度化」に関する意識調査を行い、他方、利用者側については、「セグメント情報の利用状況」に関する実態調査と「セグメント情報の制度化」に関する意識調査を行った。

3 アンケート調査の結果については、同年十一月五日開催の第一部会及び同小委員会において報告され、その概要が一般に公表されたところであるが、当審議会は、アンケート調査結果、我が国の実情及び諸外国における開示状況等を十分考慮して鋭意審議を重ね、その結果を別添のとおり「セグメント情報の開示基準」としてとりまとめた。

二 セグメント情報開示制度の運用等について

1 企業が「セグメント情報の開示基準」に準拠して、適切な情報を開示しうるよう本制度の円滑な実施を図るためには、企業側の受入態勢が整備されなければならない。したがって、証券取引法に基づくセグメント情報開示の制度化に当たっては、このための準備期間について十分に配慮する必要がある。当審議会としては、この準備期間を考慮して、昭和六十五年四月一日以後に開始する事業年度からセグメント情報を開示せしめるよう措置することが適当であると考える。

2 「セグメント情報の開示基準」では、親会社及び子会社の所在地別セグメント情報として国内及び在外別に売上高及び営業損益を開示することとしているが、セグメント情報の開示制度は我が国の企業に対して初めて適用されることから、本制度を円滑に定着させるためには受入態勢等諸条件の整備状況を考慮する必要がある。このため、本制度の一部について段階的に導入する措置を講ずることとし、当面、親会社及び子会社の所在地別セグメント情報については営業損益の開示を強制しないものとする。

しかしながら、同情報については、我が国企業の国際化、現地化の進展、開示制度の国際的調和等を併せ考慮すると今後さらに開示内容を充実していくことが必要である。このため、営業損益については、これを開示する方向で本意見書の答申後おおむね五年以内に検討することとし、また、在外子会社に関する財務情報を地域別に開示することについても、我が国企業の海外進出の動向等を勘案しつつ前向きに対応していくことが必要である。

3 セグメント情報の記載箇所については、これを連結財務諸表の一部又は注記事項として記載し、公認会計士又は監査法人(以下「監査人」という。)による監査の対象とすることが、セグメント情報の信頼性の担保及び連結財務諸表の有用性の確保のために必要であると考えるが、事業区分、地域区分等セグメンテーションの方法、セグメント間における共通費の配賦方法等の会計手法及びセグメント情報の適正性を検証するための監査手法が未だ一般に公正妥当なものとして確立されていないため、当面、セグメント情報を連結財務諸表外の情報として開示することは止むを得ないものと考える。しかし、セグメント情報の開示に関する会計手法については、監査人及び企業の双方が協力して各企業に最も適切な方法を早急に確立する必要があると思われるので、その拠りどころとしての一般的ルールの作成について、日本公認会計士協会が関係者と協議のうえ措置することが適当と考える。

なお、セグメント情報を連結財務諸表において開示し、監査人による監査の対象とすることについては、上記の会計手法及び監査手法の確立時期等を勘案し、本意見書の答申後おおむね五年以内を目途とする。

4 ADR等の発行会社の中には、米国証券取引委員会の規制により既に連結財務諸表においてセグメント情報を開示しているものがある。これらのセグメント情報は、従来から投資情報としての有用性が認められていることにかんがみ、その開示基準が「セグメント情報の開示基準」に定めるものと相違していても、同情報を本制度によって開示されるセグメント情報として認めても差し支えないものと考える。


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