ホーム

会社法

会計基準

仕訳処理

実務メモ

財務分析

税額表

会社書式

法令集

 

| 四半期レビュー基準の改訂について|四半期レビュー基準目次

 

(注)本内容は、企業会計審議会が平成23年6月30日に公表した「四半期レビュー基準の改訂に関する意見書」から「 四半期ビュー基準の改訂について」の部分を抜粋したものです。

なお、実務への適用に当っては念のためオリジナルの当該基準等を確認してください。

四半期レビュー基準の改訂について

平成23年6月30日

企業会計審議会

一 経緯

当審議会では、国際的な監査の基準や監査をめぐる内外の動向を踏まえ、これまでも必要に応じて監査基準等の改訂を行ってきており、現行の監査基準等は、国際監査基準(ISA)と比して内容等において遜色のないものとなっている。

当審議会は、平成22年3月に開催された監査部会において、すべての基準を必須手続とそれ以外の手続に明確に区分することなどを内容とする明瞭性(クラリティ)プロジェクトにより改正された国際監査基準との整合性等に関して検討した。

検討の結果、監査人の監査報告書における意見表明の内容等を規定している報告基準における国際監査基準との差異を調整することを中心とした改訂を行い、「監査基準の改訂に関する意見書」を平成22年3月26日に公表した。

今般、同様の観点から、四半期レビュー基準の改訂案を公開草案として公表し、広く意見を求め、寄せられた意見を参考にしつつ、公開草案の内容を一部修正し、これを「四半期レビュー基準の改訂に関する意見書」として公表することとした。

二 主な改訂点とその考え方

1 報告基準の改訂について

(1) 四半期レビュー報告書の記載区分等

現行の我が国の四半期レビュー基準では、四半期レビュー報告書(以下「報告書」という。)に@四半期レビューの対象、A実施した四半期レビューの概要、B四半期財務諸表に対する結論を記載することが求められている。一方、明瞭性プロジェクト後の国際監査基準では、監査報告書を@監査の対象、A経営者の責任、B監査人の責任、C監査人の意見に区分した上で、@の監査の対象以外については、それぞれ見出しを付して明瞭に表示することが要求されている。このことから、我が国の四半期レビュー基準においても、報告書の記載区分を現行の3区分から4区分にするとともに、国際監査基準において求められている記載内容を踏まえて、それぞれの記載区分における記載内容を整理した。例えば、四半期レビューの対象に含まれていた四半期財務諸表の作成責任は経営者にあることという記載を経営者の責任の区分に記載することにより明確化した。

また、結論に関する除外及び四半期レビュー範囲の制約に関して、従来の我が国の四半期レビュー基準では、除外事項の識別と当該除外事項が否定的結論又は結論の不表明等に至るか否かの判断について、当該除外事項が及ぼす影響の重要性に照らして判断することとされていた。この点について、国際監査基準では、影響の「重要性」と「広範性」の2つの要素を明示的に示すことになっており、今般の改訂においては、監査人による結論の形成過程そのものは、実質的に従前とは変わらないものの、当該影響について、「重要性」と四半期財務諸表全体に及ぶのかという「広範性」の2つの要素から判断が行われることを明確にした。

(2) 追記情報

現行の四半期レビュー基準では、監査人は、監査人の結論とは別に、説明又は強調することが適当と判断した事項については、追記情報として記載するものとされているが、監査人が四半期財務諸表の記載を前提に当該記載を強調することが適当であると判断して追記する強調事項と、投資者等に対して説明することが適当であると判断して追記する説明事項との区分がなく、混在して規定されている。明瞭性プロジェクト後の国際監査基準では、両者を区分した上で記載することが求められていることから、我が国の四半期レビュー基準においても、監査人が当該記載を強調するために追記する強調事項とその他監査人が投資者等に説明することが適当であると判断して追記する説明事項とを区分して記載することとした。

2 「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」の適用に伴う対応について

(1) 「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」の適用に伴う対応の必要性

平成21年12月4日、企業会計基準委員会(ASBJ)は、「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」及び「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準の適用指針」を公表した。本基準は、会計基準のコンバージェンス(収れん)並びに財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性が向上することが財務諸表の意思決定有用性を高めるとの観点から、会計方針や表示方法の変更、過去の誤謬の訂正があった場合に、あたかも新たな会計方針や表示方法等を過去の財務諸表に遡って適用していたかのように会計処理又は表示の変更等を行うものである。

現行の金融商品取引法上の開示としては、当期の四半期財務諸表と前期の四半期財務諸表とを並記することとされており、前期の四半期財務諸表は、原則として、前期に提出された四半期報告書に含まれていた四半期財務諸表を概ねそのまま記載することとされている。

今般、上述の会計基準が適用されることに対応して、四半期財務諸表の期間比較可能性の確保・向上を図り、投資者に有用な情報を提供する観点から、金融商品取引法上、前期の四半期財務諸表は、当期の四半期財務諸表の一部を構成するものとして、前期の財務数値を当期の財務数値に対応する比較情報として位置づけ、これを開示することが適当であるとされた。この比較情報としての前期の財務数値は、上述の新基準にしたがって修正されたものではあるが、前期に提出された四半期財務諸表自体を全体として修正したものではなく、当期の財務数値に対応する前期の財務数値を期間比較の観点から、必要な限りで修正・記載したものであると位置づけられる。

(2) 結論の表明

このような比較情報に関する四半期レビュー手続については、年度の財務諸表における比較情報と同様、当期の四半期財務諸表に含まれる比較情報に対するものとして限定した形で行うことが適当である。

また、比較情報に関する結論の表明の方法については、年度の財務諸表と同様、結論は当期の四半期財務諸表に対してのみ言及し、比較情報には明示的に言及しない方式(対応数値方式)によることが適当と考えられる。

なお、上記の遡及処理が行われた場合の四半期レビューの手続や結論の表明方法については、関係法令の整備に併せて、日本公認会計士協会において、関係者とも協議の上、適切な手続の下で、早急に実務の指針が作成されることが要請される。

三 実施時期等

1 改訂四半期レビュー基準は、平成23年4月1日以後開始する事業年度に係る四半期財務諸表の監査証明から適用する。

2 特定の事業を行う会社(金融商品取引法第24条の4の7に定める上場会社等のうち内閣府令で定める事業を行う会社)に係る第2四半期の四半期報告書において、これらの会社が作成する第2四半期の四半期財務諸表については、引き続き、基本的に中間監査基準に準拠した対応を行う必要がある。

3 改訂基準を実務に適用するに当たって必要となる実務の指針については、日本公認会計士協会において、関係者とも協議の上、適切な手続の下で、早急に作成されることが要請される。

 


INDEX

四半期レビュー基準目次

ホーム会社法会計基準仕訳処理実務メモ財務分析税額表会社書式法令集

免 責リンクポリシープライバシーポリシー