1 流動資産又は流動負債と固定資産又は固定負債を区別する基準
流動資産と固定資産又は流動負債と固定負債を区別する基準として、「企業会計原則 注解16」で次のように規定している。
(1) 当該企業の主目的たる営業取引により発生した債権及び債務
@ 流動資産・又は流動負債に属するもの
受取手形、売掛金、前払金、支払手形、買掛金、前受金等の当該企業の主目的たる営業取引により発生した債権及び債務は、流動資産又は流動負債に属するものとする。
A 投資その他の資産に属するもの
上記(1)@の債権のうち、破産債権、更正債権及びこれに準ずる債権で一年以内に回収されないことが明らかなものは、固定資産たる投資その他の資産に属するものとする。
(2) 当該企業の主目的以外の取引によって発生した未収金、未払金等の債権及び債務
@ 流動資産又は流動負債に属するもの
貸付金、借入金、差入保証金、受入保証金、当該企業の主目的以外の取引によって発生した未収金、未払金等の債権及び債務で、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に入金又は支払の期限が到来するものは、流動資産又は流動負債に属するものと
する。
A 投資その他の資産又は固定負債に属するもの
上記(2)@のうち、入金又は支払の期限が一年をこえて到来するものは、投資その他の資産又は固定負債に属するものとする。
(3) 現金預金
@ 流動資産に属するもの
現金預金は、原則として、流動資産に属するが、預金については、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に期限が到来するものは、流動資産に属するものと
する。
A 投資その他の資産に属するもの
預金で、期限が一年をこえて到来するものは、投資その他の資産に属するものとする。
(4) 有価証券
@流動資産に属するもの
所有有価証券のうち、証券市場において流通するもので、短期的資金運用のために一時的に所有するものは、流動資産に属するものと
する。
A 投資その他の資産に属するもの
証券市場において流通しないもの若しくは他の企業を支配する等の目的で長期的に所有するものは、投資その他の資産に属するものとする。
(5) 前払費用、未収収益、未払費用、前受収益
@ 流動資産に属するもの
前払費用については、貸借対照表日の翌日から起算して一年以内に費用となるものは、流動資産に属するものと
する。
未収収益は流動資産に属するものとする。
A 投資その他の資産に属するもの
前払費用で、一年をこえる期間を経て費用となるものは、投資その他の資産に属するものとする。
B 流動負債に属するもの
未払費用及び前受収益は、流動負債に属するものとする。
(6) たな卸資産
@ 流動資産に属するもの
商品、製品、半製品、原材料、仕掛品等のたな卸資産は、流動資産に属するものと
する。
たな卸資産のうち恒常在庫品として保有するもの若しくは余剰品として長期間にわたって所有するものも固定資産とせず流動資産に含ませるものとする。
A 固定資産に属するもの
企業がその営業目的を達成するために所有し、かつ、その加工若しくは売却を予定しない財貨は、固定資産に属するものとする。
(7) 残存耐用年数が一年以下となった固定資産
固定資産のうち残存耐用年数が一年以下となったものも流動資産とせず固定資産に含ませる。
2 参考資料
企業会計原則注解16(流動資産又は流動負債と固定資産又は固定負債とを区別する基準について)
|