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繰延税金資産の回収可能性

1 繰延税金資産の回収可能性

(1) 繰延税金資産の計上による利益剰余金の増加額については、会社法上配当制限の定めがない等の理由により、その回収可能性を厳格かつ慎重に検討することが必要である。

(2) 繰延税金資産の回収可能性がある場合とは、将来減算一時差異又は税務上の繰越欠損金等が、将来の税金負担額を軽減する効果を有していると見込まれる場合をいい、これ以外の場合には、回収可能性はないものと判断され、繰延税金資産は計上できない。

(3) 過年度に計上した繰延税金資産についても、その回収可能性を毎期見直し、将来の税金負担額を軽減する効果を有していると見込まれなくなった場合には、過大となった金額を取り崩す必要がある。

(4) 将来の解消見込年度に相殺しきれなかった将来加算一時差異については、繰延税金資産の回収可能性の判断に当たり、将来減算一時差異と相殺できない。

2 回収可能性についての判断基準

繰延税金資産の回収可能性については、会社の過去の業績等を主たる判断基準として、将来の収益力を見積り、将来減算一時差異等がどの程度回収されるのかを、以下のそれぞれの例示区分に応じて判定することになる。

(1) 期末における将来減算一時差異を十分に上回る課税所得を当期及び過去3年以上計上している場合は、回収可能性があると判断する。

(2) 過去の業績が安定(当期及び過去3年経常的な利益を計上)していることから、将来も安定的な経常利益の計上が見込まれるが、期末における将来減算一時差異を十分に上回るほどの課税所得がない場合には、将来減算一時差異の合計額が過去3年間の課税所得の合計額の範囲内であれば、回収可能性があると判断する。

(3) 業績が不安定であり、期末における将来減算一時差異を十分に上回るほどの課税所得がない場合又は税務上の繰越欠損金が存在する場合であっても将来の合理的な見積可能期間(最長5年)内の課税所得の見積額を限度として、一時差異等の将来解消の見込みについて取締役会等による合理的な計画(スケジューリング)に基づくものであれば、回収可能性があるものと判断する。スケジューリングを行うことができない場合又は行っていない場合には、回収可能性はないものと判断する。

(4) 過去3年以上連続して重要な税務上の欠損金を計上し、当期も欠損金の計上が見込まれる会社及び債務超過又は資本の欠損の状況が長期にわたっており、短期間に当該状況の解消が見込まれない場合には回収可能性はないと判断する。

3 参考資料

中小企業の会計に関する指針

INDEX

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