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未払費用

1 未払費用とは

未払費用とは、一定の契約に従い継続して役務の提供を受ける場合、既に提供された役務に対していまだその対価の支払が終らないものをいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過に伴い既に当期の費用として発生しているものであるから、これを当期の損益計算に計上するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。また、未払費用は、かかる役務提供契約以外の契約等による未払金とは区別しなければならない。

参考:企業会計原則注解 注5(3)

2 仕訳例

(1) 未払給与の計上

当社の給与は、前月の16日から当月の15日までの給与を当月25日に支払っている。決算にあたり、3月16日から3月31日までの給与30,000,000円の未払費用を計上した。

 

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

従業員給与

30,000,000

未払費用

30,000,000

 

(2) 未払社会保険料の計上

当社は給与支給日の翌月に社会保険料を納付している。決算にあたり、4月に納付する社会保険料会社負担分2,000,000円の未払費用を計上した。

 

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

法定福利費

2,000,000

未払費用

2,000,000

 

(3) 未払賞与の計上

当社の従業員に対する賞与は、前年10月から当年3月までの支給対象期間の賞与を当年の7月に支払っている。3月の決算にあたり、前年10月から当年3月までの支給対象期間に係る賞与の額を計算した結果50,000,000円であった。

 

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

従業員賞与

50,000,000

未払費用

50,000,000

 

(4) 未払利息の計上

利息後払い契約の借入金について、直近の利払日から決算日までの利息1,000,000円の未払費用を計上した。

 

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

支払利息

1,000,000

未払費用

1,000,000

 

(5) 未払電力料の計上

直近の検針日以降期末日までの電力料を計測し5,000,000円を費用に計上した。

 

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

電力料

5,000,000

未払費用

5,000,000

 

(7) 未払費用の精算

上記(1)から(6)の未払費用を期首に振り戻した。

 

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

未払費用

30,000,000

従業員給与

30,000,000

未払費用

2,000,000

法定福利費

2,000,000

未払費用

50,000,000

従業員賞与

50,000,000

未払費用

1,000,000

支払利息

1,000,000

未払費用

5,000,000

電力料

5,000,000

未払費用を計上した項目について実際に支払いを行う際、未払費用を精算して支払ってもよいが、実務では煩雑であるので期首に一旦振り戻しを行い、それぞれ当該勘定科目で支払いを行う。

 


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