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品質管理基準の設定について|品質管理基準|目次

 

(注)本内容は、企業会計審議会が平成17年10月28日に公表した「監査に関する品質管理基準の設定に係る意見書」から「監査に関する品質基準」部分を抜粋したものです。なお、実務への適用にあたっては念のためにオリジナルの当該会計基準等を確認してください。

監査に関する品質管理基準

平成17年10月28日

企業会計審議会

目次

第一 目的

第二 品質管理のシステムの整備及び運用

第三 品質管理のシステムの構成

第四 品質管理に関する責任

第五 職業倫理及び独立性

一 職業倫理

二 独立性

第六 監査契約の新規の締結及び更新

第七 監査実施者の採用、教育・訓練、評価及び選任

第八 業務の実施

一 監査業務の実施

二 専門的な見解の問合せ

三 監査上の判断の相違

四 監査業務に係る審査

第九 品質管理のシステムの監視

第十 監査事務所間の引継

第十一 共同監査

第十二 中間監査への準用


第一 目的

本基準は、監査基準と一体として適用されるものであり、財務諸表の監査を実施する監査事務所及び監査実施者に、監査業務の質を合理的に確保することを求めるものである。

(注)1 本基準における監査事務所及び監査実施の責任者は、監査基準における監査人に相当する。

2 監査事務所とは、個人事務所及び監査法人をいう。

3 監査実施者とは、監査実施の責任者及び監査業務に従事する補助者をいう。 

第二 品質管理のシステムの整備及び運用

1 監査事務所は、監査業務の質を合理的に確保するために、監査契約の新規の締結及び更新から、監査計画の策定、監査業務の実施及び監査報告書の発行に至る品質管理のシステムを適切に整備し、運用しなければならない。

2 監査実施の責任者は、監査事務所が設けた品質管理のシステムに準拠して、監査業務を行わなければならない。

3 監査事務所は、品質管理のシステムの整備及び運用の状況を適切に記録し、保存するための方針及び手続を定め、それらが遵守されていることを確かめなければならない。 

第三 品質管理のシステムの構成

監査事務所は、少なくとも、以下の事項に関する方針及び手続からなる品質管理のシステムを設けなければならない。

(1) 品質管理に関する責任

(2) 職業倫理及び独立性

(3) 監査契約の新規の締結及び更新

(4) 監査実施者の採用、教育・訓練、評価及び選任

(5) 業務の実施

(6) 品質管理のシステムの監視 

第四 品質管理に関する責任

1 監査事務所は、品質管理に関する適切な方針及び手続を定め、品質管理のシステムの整備及び運用に関する責任を負わなければならない。

2 監査事務所は、品質管理のシステムの整備及び運用に関する責任者を明確にしなければならない。

3 監査実施の責任者は、監査事務所が定める品質管理の方針及び手続に準拠して監査を実施する責任を負わなければならない。 

第五 職業倫理及び独立性

一 職業倫理

1 監査事務所は、職業倫理の遵守に関する方針及び手続を定め、それらの方針及び手続が遵守されていることを確かめなければならない。

2 監査実施の責任者は、監査事務所の定める職業倫理の遵守に関する方針及び手続を遵守するとともに、それらが補助者により遵守されていることを確かめなければならない。 

二 独立性

1 監査事務所は、独立性が適切に保持されるための方針及び手続を定め、それらの方針及び手続が遵守されていることを確かめなければならない。

2 監査実施の責任者は、監査事務所の定める独立性の保持のための方針及び手続を遵守するとともに、それらが補助者により遵守されていることを確かめなければならない。 

第六 監査契約の新規の締結及び更新

1 監査事務所は、監査契約の新規の締結及び更新の判断に関する方針及び手続を定め、監査事務所の規模及び組織、当該監査業務に適した能力及び経験を有する監査実施者の確保の状況、並びに、監査契約の新規の締結及び更新の判断に重要な影響を及ぼす事項等を勘案し、適切な監査業務を実施することができるかを判断しなければならない。

2 監査実施の責任者は、監査契約の新規の締結及び更新が、監査事務所の定める方針及び手続に従って適切に行われていることを確かめ、当該契約の新規の締結及び更新の適切性に重要な疑義をもたらす情報を入手した場合には、監査事務所に、適宜、伝えなければならない。 

第七 監査実施者の採用、教育・訓練、評価及び選任

1 監査事務所は、監査実施者の採用、教育・訓練、評価及び選任に関する方針及び手続を定め、監査業務を実施するために必要な能力、経験及び求められる職業倫理を備えた監査実施者を確保しなければならない。

2 監査事務所は、監査実施者の選任と構成に関する方針及び手続を定め、企業の事業内容等に応じた適切な監査を実施するための能力、経験及び独立性を有するとともに、監査業務に十分な時間を確保できる監査実施者を選任しなければならない。

3 監査実施の責任者は、監査業務に補助者を使用する場合には、当該補助者が監査業務に必要な能力、経験及び独立性を有するとともに、十分な時間を確保できることを確かめなければならない。 

第八 業務の実施

一 監査業務の実施

1 監査事務所は、監査業務の実施に関する品質管理の方針及び手続を定め、監査に必要な情報及び技法を蓄積し、監査実施者に適時かつ的確に情報を伝達するとともに、適切な指示及び指導を行う体制を整備し、監査業務の品質が合理的に確保されるようにしなければならない。

2 監査事務所は、監査業務の実施に関する品質管理の方針及び手続に、監査手続の遂行、監督及び査閲の方法、監査調書としての記録及び保存の方法等に関する適切な規程を含めなければならない。

3 監査実施の責任者は、監査事務所の定める、監査業務の実施に関する品質管理の方針及び手続を遵守し、補助者に対し適切な指示及び監督を行い、監査調書が適切に作成されているかを確かめなければならない。

4 監査実施の責任者は、監査意見の表明に先立ち、監査調書の査閲等を通して、十分かつ適切な監査証拠が入手されていることを確かめなければならない。 

二 専門的な見解の問合せ

1 監査事務所は、監査事務所内外の適切な者から専門的な見解を得るための方針及び手続を定め、監査実施の責任者がそれらを遵守していることを確かめなければならない。

2 監査実施の責任者は、監査事務所の定める方針及び手続に従い、監査事務所内外の適切な者から見解を得た場合には、その内容を適切に記録し、得られた見解が監査業務の実施及び監査意見の形成において十分に検討されているかを確かめなければならない。

(注)専門的な見解の問合せとは、監査業務に関して、監査事務所内外の専門的な知識、経験等を有する者から、専門的な事項に係る見解を得ることをいう。 

三 監査上の判断の相違

1 監査事務所は、監査実施者間又は監査実施の責任者と監査業務に係る審査の担当者等との間の判断の相違を解決するために必要な方針及び手続を定め、それらの方針及び手続に従って監査実施の責任者が判断の相違を適切に解決していることを確かめなければならない。

2 監査実施の責任者は、監査事務所の定める方針及び手続に従って、監査実施者間又は監査実施の責任者と監査業務に係る審査の担当者等との間の判断の相違を解決しなければならない。

3 監査事務所は、監査実施の責任者と監査業務に係る審査の担当者等との間の判断の相違が解決しない限り、監査報告書を発行してはならない。 

四 監査業務に係る審査

1 監査事務所は、監査業務に係る審査に関する方針及び手続を定め、企業の状況等に応じて審査の範囲、担当者、時期等を考慮し、監査手続、監査上の判断及び監査意見の形成について、適切な審査が行われていることを確かめなければならない。

2 監査事務所は、監査業務に係る審査の担当者として、十分な知識、経験、能力及び当該監査業務に対する客観性を有する者を選任しなければならない。

3 監査事務所及び審査の担当者は、監査事務所の定める方針及び手続に従って、監査業務に係る審査の内容及び結論を、監査調書として記録及び保存しなければならない。 

第九 品質管理のシステムの監視

1 監査事務所は、品質管理のシステムの監視に関する方針及び手続を定め、それらが遵守されていることを確かめなければならない。当該方針及び手続には、品質管理のシステムに関する日常的監視及び監査業務の定期的な検証が含まれる。

2 監査事務所は、品質管理のシステムの日常的監視及び監査業務の定期的な検証によって発見された不備及びこれに対して改善すべき事項が、品質管理のシステムの整備及び運用に関する責任者、監査実施の責任者等に伝えられ、必要な措置が講じられていることを確かめなければならない。

3 監査実施の責任者は、指摘された不備が監査意見の適切な形成に影響を与えていないこと、及び必要な措置が的確に講じられたかどうかを確かめなければならない。

4 監査事務所は、監査業務に係る監査実施者の不適切な行為、判断並びに意見表明、関連する法令に対する違反及び監査事務所の定める品質管理のシステムへの抵触等に関して、監査事務所内外からもたらされる情報に対処するための方針及び手続を定め、それらが遵守されていることを確かめなければならない。 

第十 監査事務所間の引継

1 監査事務所は、後任の監査事務所への引継に関する方針及び手続を定め、それらが遵守されていることを確かめなければならない。なお、財務諸表における重要な虚偽の表示に関わる情報又は状況を把握していた場合には、後任の監査事務所に、それらを伝達しなければならない。

2 監査事務所は、前任の監査事務所からの引継に関する方針及び手続を定め、それらが遵守されていることを確かめなければならない。 

第十一 共同監査

監査事務所及び監査実施の責任者は、複数の監査事務所が共同して監査業務を行う場合には、他の監査事務所の品質管理のシステムが、本基準に準拠し、当該監査業務の質を合理的に確保するものであるかどうかを、監査契約の新規の締結及び更新の際、並びに、必要に応じて監査業務の実施の過程において確かめなければならない。 

第十二 中間監査への準用

本基準は、中間監査について準用する。


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