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目次

 

(注)本内容は、企業会計基準委員会が平成20年3月21日に公表した「セグメント情報等の開示に関する会計基準」から「目的・会計基準」の部分を抜粋したものです。「結論の背景」は別に記載してあります。なお、オリジナルと異なる表現をしている部分があります。実務への適用にあたっては念のためにオリジナルの基準等を確認してください。

企業会計基準第17号

セグメント情報等の開示に関する会計基準

(目的・会計基準)

昭和63年5月26日

企業会計審議会第一部会

改正平成20年3月21日

企業会計基準委員会

目次

目的

会計基準

範囲

基本原則

セグメント情報の開示

事業セグメントの識別

報告セグメントの決定

セグメント情報の開示項目と測定方法

関連情報の開示

製品及びサービスに関する情報

地域に関する情報

主要な顧客に関する情報

固定資産の減損損失に関する報告セグメント別情報の開示

のれんに関する報告セグメント別情報の開示

適用時期等

議決の部分は省略

結論の背景は別に記載してあります。


目的

1. 本会計基準は、次の開示に関する取扱いを定めることを目的とする(以下(1)から(4)を合わせて「セグメント情報等」という。)。

(1) セグメント情報(第6項から第28項参照)

(2) セグメント情報の関連情報(第29項から第32項参照)

(3) 固定資産の減損損失に関する報告セグメント別情報(第33項参照)

(4) のれんに関する報告セグメント別情報(第34項参照)

2. 平成20年3月21日に、本会計基準を適用する際の指針を定めた企業会計基準適用指針第20号「セグメント情報等の開示に関する会計基準の適用指針」が公表されているため、本会計基準の適用にあたっては、当該適用指針も参照する必要がある。

会計基準

範囲

3. 本会計基準は、すべての企業の連結財務諸表又は個別財務諸表(以下「財務諸表」という。)におけるセグメント情報等の開示に適用する。なお、連結財務諸表でセグメント情報等の開示を行っている場合は、個別財務諸表での開示を要しないこととする。

基本原則

4. セグメント情報等の開示は、財務諸表利用者が、企業の過去の業績を理解し、将来のキャッシュ・フローの予測を適切に評価できるように、企業が行う様々な事業活動の内容及びこれを行う経営環境に関して適切な情報を提供するものでなければならない。

5. 本会計基準は、企業又はその特定の事業分野について、その事業活動の内容及びこれを行う経営環境を財務諸表利用者が理解する上で有用な情報を、本会計基準に定める事項に加えて開示することを妨げない。

セグメント情報の開示

事業セグメントの識別

事業セグメントの定義

6. 「事業セグメント」とは、企業の構成単位で、次の要件のすべてに該当するものをいう。

(1) 収益を稼得し、費用が発生する事業活動に関わるもの(同一企業内の他の構成単位との取引に関連する収益及び費用を含む。)

(2) 企業の最高経営意思決定機関が、当該構成単位に配分すべき資源に関する意思決定を行い、また、その業績を評価するために、その経営成績を定期的に検討するもの

(3) 分離された財務情報を入手できるもの

ただし、新たな事業を立ち上げたときのように、現時点では収益を稼得していない事業活動を事業セグメントとして識別する場合もある。

7. 企業の本社又は特定の部門のように、企業を構成する一部であっても収益を稼得していない、又は付随的な収益を稼得するに過ぎない構成単位は、事業セグメント又は事業セグメントの一部とならない。

最高経営意思決定機関

8. 「最高経営意思決定機関」とは、企業の事業セグメントに資源を配分し、その業績を評価する機能を有する主体のことをいう。

セグメントの区分方法が複数ある場合の取扱い

9. 事業セグメントの要件(第6項参照)を満たすセグメントの区分方法が複数ある場合、企業は、各構成単位の事業活動の特徴、それらについて責任を有する管理者の存在及び取締役会等に提出される情報などの要素に基づいて、企業の事業セグメントの区分方法を決定するものとする。

報告セグメントの決定

報告セグメント

10. 企業は、第6項から第9項に基づいて識別された事業セグメント又は第11項に基づいて集約された事業セグメントの中から、量的基準(第12項から第16項参照)に従って、報告すべきセグメント(以下「報告セグメント」という。)を決定しなければならない。

集約基準

11. 複数の事業セグメントが次の要件のすべてを満たす場合、企業は当該事業セグメントを1つの事業セグメントに集約することができる。

(1) 当該事業セグメントを集約することが、セグメント情報を開示する基本原則(第4項参照)と整合していること

(2) 当該事業セグメントの経済的特徴が概ね類似していること

(3) 当該事業セグメントの次のすべての要素が概ね類似していること

@ 製品及びサービスの内容

A 製品の製造方法又は製造過程、サービスの提供方法

B 製品及びサービスを販売する市場又は顧客の種類

C 製品及びサービスの販売方法

D 銀行、保険、公益事業等のような業種に特有の規制環境

量的基準

12. 企業は、次の量的基準のいずれかを満たす事業セグメントを報告セグメントとして開示しなければならない。

(1) 売上高(事業セグメント間の内部売上高又は振替高を含む。)がすべての事業セグメントの売上高の合計額の10%以上であること(売上高には役務収益を含む。以下同じ。)

(2) 利益又は損失の絶対値が、@利益の生じているすべての事業セグメントの利益の合計額、又はA損失の生じているすべての事業セグメントの損失の合計額の絶対値のいずれか大きい額の10%以上であること

(3) 資産が、すべての事業セグメントの資産の合計額の10%以上であること

なお、本項の定めは、企業が、量的基準のいずれにも満たない事業セグメントを、報告セグメントとして開示することを妨げない。

13. 企業は、前項の量的基準を満たしていない複数の事業セグメントの経済的特徴が概ね類似し、かつ第11項(3)に記載した事業セグメントを集約するにあたって考慮すべき要素の過半数について概ね類似している場合には、これらの事業セグメントを結合して、報告セグメントとすることができる。

14. 報告セグメントの外部顧客への売上高の合計額が連結損益計算書又は個別損益計算書(以下「損益計算書」という。)の売上高の75%未満である場合には、損益計算書の売上高の75%以上が報告セグメントに含まれるまで、報告セグメントとする事業セグメントを追加して識別しなければならない。

15. 報告セグメントに含まれない事業セグメント及びその他の収益を稼得する事業活動に関する情報は、第25項により求められる差異調整の中で、他の調整項目とは区分して、「その他」の区分に一括して開示しなければならない。この場合、「その他」に含まれる主要な事業の名称等をあわせて開示しなければならない。

16. ある事業セグメントの量的な重要性の変化によって、報告セグメントとして開示する事業セグメントの範囲を変更する場合には、その旨及びセグメント情報に与える影響を開示しなければならない。

セグメント情報の開示項目と測定方法

セグメント情報の開示項目

17. 企業は、セグメント情報として、次の事項を開示しなければならない。

(1) 報告セグメントの概要(第18項参照)

(2) 報告セグメントの利益(又は損失)、資産、負債及びその他の重要な項目の額(第19項から第22項参照)並びにその測定方法に関する事項(第23項及び第24項参照)

(3) 第19項から第22項の定めにより開示する項目の合計額とこれに対応する財務諸表計上額との間の差異調整に関する事項(第25項及び第26項参照)

報告セグメントの概要

18. 企業は、報告セグメントの概要として、次の事項を開示しなければならない。

(1) 報告セグメントの決定方法

事業セグメントを識別するために用いた方法(例えば、製品・サービス別、地域別、規制環境別、又はこれらの組合せ等、企業の事業セグメントの基礎となる要素)及び複数の事業セグメントを集約した場合にはその旨等について記載する。

(2) 各報告セグメントに属する製品及びサービスの種類利益(又は損失)、資産及び負債等の額

19. 企業は、各報告セグメントの利益(又は損失)及び資産の額を開示しなければならない。

20. 負債に関する情報が、最高経営意思決定機関に対して定期的に提供され、使用されている場合、企業は各報告セグメントの負債の額を開示しなければならない。

21. 企業が開示する報告セグメントの利益(又は損失)の額の算定に次の項目が含まれている場合、企業は各報告セグメントのこれらの金額を開示しなければならない。また、報告セグメントの利益(又は損失)の額の算定に含まれていない場合であっても、次の項目の事業セグメント別の情報が最高経営意思決定機関に対して定期的に提供され、使用されているときには、企業は各報告セグメントのこれらの金額を開示しなければならない。

(1) 外部顧客への売上高

(2) 事業セグメント間の内部売上高又は振替高

(3) 減価償却費(のれんを除く無形固定資産に係る償却費を含む。)

(4) のれんの償却額及び負ののれんの償却額

(5) 受取利息及び支払利息

(6) 持分法投資利益(又は損失)

(7) 特別利益及び特別損失

(8) 税金費用(法人税等及び法人税等調整額)

(9) (1)から(8)に含まれていない重要な非資金損益項目

本項(7)の特別利益及び特別損失については、主な内訳をあわせて開示するものとする。

22. 企業が開示する報告セグメントの資産の額の算定に次の項目が含まれている場合、企業は各報告セグメントのこれらの金額を開示しなければならない。また、報告セグメントの資産の額の算定に含まれていない場合であっても、次の項目の事業セグメント別の情報が最高経営意思決定機関に対して定期的に提供され、使用されているときには、企業は各報告セグメントのこれらの金額を開示しなければならない。

(1) 持分法適用会社への投資額(当年度末残高)

(2) 有形固定資産及び無形固定資産の増加額(当年度の投資額)

測定方法に関する事項

23. 第19項から第22項に基づく開示は、事業セグメントに資源を配分する意思決定を行い、その業績を評価する目的で、最高経営意思決定機関に報告される金額に基づいて行わなければならない。財務諸表の作成にあたって行った修正や相殺消去、又は特定の収益、費用、資産又は負債の配分は、最高経営意思決定機関が使用する事業セグメントの利益(又は損失)、資産又は負債の算定に含まれている場合にのみ、報告セグメントの各項目の額に含めることができる。ただし、特定の収益、費用、資産又は負債を各事業セグメントの利益(又は損失)、資産又は負債に配分する場合には、企業は、合理的な基準に従って配分しなければならない。

24. 企業は、第19項から第22項に基づいて開示する項目の測定方法について開示しなければならない。なお、企業は、少なくとも次の事項を開示しなければならない。

(1) 報告セグメント間の取引がある場合、その会計処理の基礎となる事項

例えば、報告セグメント間の取引価格や振替価格の決定方法などについて明らかにする必要がある。

(2) 報告セグメントの利益(又は損失)の合計額と、損益計算書の利益(又は損失)計上額との間に差異があり、差異調整に関する事項の開示(第25項(2)参照)からはその内容が明らかでない場合、その内容

例えば、会計処理の方法の違いによる差異がある場合や、事業セグメントに配分していない額がある場合には、その主な内容を明らかにする必要がある(本項(3)及び(4)においても同様。)。

(3) 報告セグメントの資産の合計額と連結貸借対照表又は個別貸借対照表(以下「貸借対照表」という。)の資産計上額との間に差異があり、差異調整に関する事項の開示(第25項(3)参照)からその内容が明らかでない場合、その内容

なお、企業が事業セグメントに資産を配分していない場合には、その旨を開示しなければならない。

(4) 報告セグメントの負債の合計額と貸借対照表の負債計上額との間に差異があり、差異調整に関する事項の開示(第25項(4)参照)からその内容が明らかでない場合、その内容

(5) 事業セグメントの利益(又は損失)の測定方法を前年度に採用した方法から変更した場合には、その旨、変更の理由及び当該変更がセグメント情報に与えている影響

(6) 事業セグメントに対する特定の資産又は負債の配分基準と関連する収益又は費用の配分基準が異なる場合には、その内容

例えば、ある事業セグメントに特定の償却資産を配分していないにもかかわらず、その減価償却費を当該事業セグメントの費用に配分する場合がこれに該当する。

差異調整に関する事項

25. 企業は、次の項目について、その差異調整に関する事項を開示しなければならない。

(1) 報告セグメントの売上高の合計額と損益計算書の売上高計上額

(2) 報告セグメントの利益(又は損失)の合計額と損益計算書の利益(又は損失)計上額

(3) 報告セグメントの資産の合計額と貸借対照表の資産計上額

(4) 報告セグメントの負債の合計額と貸借対照表の負債計上額

(5) その他の開示される各項目について、報告セグメントの合計額とその対応する科目の財務諸表計上額

重要な調整事項がある場合、企業は当該事項を個別に記載しなければならない。例えば、報告セグメントの利益(又は損失)を算定するにあたって採用した会計処理の方法が財務諸表の作成上採用した方法と異なっている場合、その重要な差異は、すべて個別に記載しなければならない。

26. 第24項(2)及び前項(2)における損益計算書の利益(又は損失)は、損益計算書の営業利益(又は損失)、経常利益(又は損失)、税金等調整前当期純利益(又は損失)(個別財務諸表に係る注記の場合は、税引前当期純利益(又は損失))、又は当期純利益(又は損失)のうち、いずれか適当と判断される科目とする。なお、企業は当該科目を開示しなければならない。

組織変更等によるセグメントの区分方法の変更

27. 企業の組織構造の変更等、企業の管理手法が変更されたために、報告セグメントの区分方法を変更する場合には、その旨及び前年度のセグメント情報を当年度の区分方法により作り直した情報を開示するものとする。ただし、前年度のセグメント情報を当年度の区分方法により作り直した情報を開示することが実務上困難な場合(本会計基準では、必要な情報の入手が困難であって、当該情報を作成するために過度の負担を要する場合には、実務上困難なものとする。以下同じ。)には、当年度のセグメント情報を前年度の区分方法により作成した情報を開示することができる。

28. 前項の開示を行うことが実務上困難な場合には、当該開示に代えて、当該開示を行うことが実務上困難な旨及びその理由を記載しなければならない。また、前項の開示は、セグメント情報に開示するすべての項目について記載するものとするが、一部の項目について記載することが実務上困難な場合は、その旨及びその理由を記載しなければならない。

関連情報の開示

29. 企業は、セグメント情報の中で同様の情報が開示されている場合を除き、次の事項をセグメント情報の関連情報として開示しなければならない。当該関連情報に開示される金額は、当該企業が財務諸表を作成するために採用した会計処理に基づく数値によるものとする。

(1) 製品及びサービスに関する情報(第30項参照)

(2) 地域に関する情報(第31項参照)

(3) 主要な顧客に関する情報(第32項参照)

なお、報告すべきセグメントが1 つしかなく、セグメント情報を開示しない企業であっても、当該関連情報を開示しなければならない。

製品及びサービスに関する情報

30. 企業は、主要な個々の製品又はサービスあるいはこれらの種類や性質、製造方法、販売市場等の類似性に基づく同種・同系列のグループ(以下「製品・サービス区分」という。)ごとに、外部顧客への売上高を開示する。なお、当該事項を開示することが実務上困難な場合には、当該事項の開示に代えて、その旨及びその理由を開示しなければならない。

地域に関する情報

31. 企業は、地域に関する情報として、次の事項を開示する。なお、当該事項を開示することが実務上困難な場合には、当該事項に代えて、その旨及びその理由を開示しなければならない。

(1) 国内の外部顧客への売上高に分類した額と海外の外部顧客への売上高に分類した額海外の外部顧客への売上高に分類した額のうち、主要な国がある場合には、これを区分して開示しなければならない。なお、各区分に売上高を分類した基準をあわせて記載するものとする。

(2) 国内に所在している有形固定資産の額と海外に所在している有形固定資産の額

海外に所在している有形固定資産の額のうち、主要な国がある場合には、これを区分して開示しなければならない。

なお、本項に定める事項に加えて、複数の国を括った地域(例えば、北米、欧州等)に係る額についても開示することができる。

主要な顧客に関する情報

32. 企業は、主要な顧客がある場合には、その旨、当該顧客の名称又は氏名、当該顧客への売上高及び当該顧客との取引に関連する主な報告セグメントの名称を開示する。

固定資産の減損損失に関する報告セグメント別情報の開示

33. 企業は、損益計算書に固定資産の減損損失を計上している場合には、当該企業が財務諸表を作成するために採用した会計処理に基づく数値によって、その報告セグメント別の内訳を開示しなければならない。なお、報告セグメントに配分されていない減損損失がある場合には、その額及びその内容を記載しなければならない。ただし、セグメント情報の中で同様の情報が開示されている場合には、当該情報の開示を要しない。

のれんに関する報告セグメント別情報の開示

34. 企業は、損益計算書にのれんの償却額又は負ののれんの償却額を計上している場合には、当該企業が財務諸表を作成するために採用した会計処理に基づく数値によって、その償却額及び未償却残高に関する報告セグメント別の内訳をそれぞれ開示しなければならない。

なお、報告セグメントに配分されていないのれん又は負ののれんがある場合には、その償却額及び未償却残高並びにその内容を記載しなければならない。ただし、セグメント情報の中で同様の情報が開示されている場合には、当該情報の開示を要しない。

適用時期等

35. 本会計基準は、平成22年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度から適用する。

36. 適用初年度において、当年度のセグメント情報とともに報告される前年度のセグメント情報については、前年度において従来までの取扱いにより開示したセグメント情報とあわせて、本会計基準に準拠して作り直した前年度のセグメント情報(第6項から第28項参照)を開示するものとするが、これを開示することが実務上困難な場合には、当年度のセグメント情報を前年度のセグメント情報の取扱いに基づき作成した情報を開示することができる。

37. 前項の開示を行うことが実務上困難な場合には、当該開示に代えて、当該開示を行うことが実務上困難な旨及びその理由を記載しなければならない。また、前項の開示は、セグメント情報に開示するすべての項目について記載するものとするが、一部の項目について記載することが実務上困難な場合は、その旨及びその理由を記載しなければならない。

38. 第36項の定めにかかわらず、従来までのセグメント情報の取扱いに基づく連結財務諸表のセグメント情報として、本会計基準に準拠した場合と同様の情報が開示されている場合には、本会計基準に準拠して作成した前年度のセグメント情報を開示することを要しない。

この場合、第36項の開示に代えて、その旨を開示しなければならない。

39. 本会計基準の適用にあたり、日本公認会計士協会 会計制度委員会報告第1号「セグメント情報の開示に関する会計手法」等については、改廃を検討することが適当である。

議決の部分は省略


INDEX

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