1 満期保有目的債権とは
満期保有目的債券とは、満期まで所有する意図をもって保有する社債その他の債券をいう。
取得価額は、原則として購入対価に手数料等の付随費用を加算する。また、取得原価をもって貸借対照表価額とする。ただし、債券を債券金額より低い価額又は高い価額で取得した場合において、取得価額と債券金額との差額の性格が金利の調整と認められるときは、償却原価法に基づいて算定された価額をもって貸借対照表価額としなければならない。
参考:金融商品に関する会計基準16
2 仕訳例
(1) 既発社債で1年以内に満期が到来する社債の取得
既発社債(満期が1年以内に到来するもの)額面10,000,000円を9,900,000円、経過利子50,000円、源泉所得税10,000円、差引40,000円、合計9,940,000円を小切手を振出し購入した。
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借方 |
貸方 |
勘定科目 |
金額 |
勘定科目 |
金額 |
有価証券 |
9,900,000 |
当座預金 |
9,940,000 |
前払金 |
40,000 |
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既発社債を購入する際には、前回利払日から購入時までの経過利子を売手に支払う。この経過利子分は取得価額には含めず、一旦前払金として処理し実際の利息入金時に精算する。 |
(2) 利払時の前払金精算
上記(1)の社債の利息100,000円、源泉所得税15,000円、地方税利子割5,000円が差引かれ、80,000円が当座預金に入金した。
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借方 |
貸方 |
勘定科目 |
金額 |
勘定科目 |
金額 |
当座預金 |
80,000 |
受取利息 |
50,000 |
仮払法人税等 |
20,000 |
前払金 |
40,000 |
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雑収入 |
10,000 |
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(3) 既発社債の償還
上記(1)で取得した社債が満期となり、額面金額10,000,000円と最終利払金160,000円(利子総額200,000円、源泉所得税30,000円、地方税利子税10,000円)、差引10,160,000円が当座預金に入金した。
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借方 |
貸方 |
勘定科目 |
金額 |
勘定科目 |
金額 |
当座預金 |
10,160,000 |
有価証券 |
10,000,000 |
仮払法人税等 |
40,000 |
受取利息 |
200,000 |
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INDEX
■仕訳処理目次
■有価証券
■売買目的有価証券
■満期保有目的債権
■外貨建有価証券
■有価証券の保有目的区分変更
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