1 新株予約権とは
新株予約権とは、株式会社に対して行使することにより当該株式会社の株式の交付を受けることができる権利をいう。(会社法第2条)
つまり、新株予約権の所有者は、新株予約権を行使して、当該株式会社の株式を特定の価格で購入できる権利である。
新株予約権のうち、取締役や従業員等に報酬として付与するものをストック・オプションという。
2 新株予約権の会計処理
新株予約権の会計処理は次のように行われる。
(1) 発行時の会計処理
新株予約権は、その発行に伴う払込金額を、純資産の部に「新株予約権」として計上する。
(2) 権利行使時の会計処理
@ 新株を発行する場合
新株予約権が行使され、新株を発行する場合の会計処理は、当該新株予約権の発行に伴う払込金額と新株予約権の行使に伴う払込金額を、資本金又は資本金及び資本準備金に振り替える。
A 自己株式を処分する場合
新株予約権が行使され、自己株式を処分する場合の自己株式処分差額の会計処理は、自己株式を募集株式の発行等の手続により処分する場合に準じて取り扱う(企業会計基準第1号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」第9項から第11項)。
なお、自己株式処分差額を計算する際の自己株式の処分の対価は、当該新株予約権の発行に伴う払込金額と新株予約権の行使に伴う払込金額との合計額とする。
(3) 失効時の会計処理
新株予約権が行使されずに権利行使期間が満了し、当該新株予約権が失効したときは、当該失効に対応する額を失効が確定した会計期間の利益(原則として特別利益に該当する。)として処理する。
INDEX
■仕訳処理目次
■新株予約権
■新株予約権の募集・権利行使・失効
■ストック・オプションの付与
■ストック・オプションの権利行使
■ストック・オプションの失効
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