1 ストック・オプションの権利行使
ストック・オプションが権利行使され、これに対して新株を発行した場合には、新株予約権として計上した額のうち、当該権利行使に対応する部分を払込資本に振り替える。
なお、新株予約権の行使に伴い、当該企業が自己株式を処分した場合には、自己株式の取得原価と、新株予約権の帳簿価額及び権利行使に伴う払込金額の合計額との差額は、自己株式処分差額であり、平成17年12月改正の企業会計基準第1号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」により会計処理を行う。
2 仕訳例
(1) 新株発行の場合
・ストック・オプションの数は、従業員1名当たり160個(合計12,000個)
でストック・オプションの一部行使は出来ない。
・ストック・オプションの行使時の払込金額は1株当たり75,000円である。
・付与日におけるストック・オプションの公正な評価単価は8,000円/個
である。
@X6年3月期 ストック・オプションの行使が20名の場合。
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借方 |
貸方 |
勘定科目 |
金額 |
勘定科目 |
金額 |
現金預金 |
240,000,000 |
資本金 |
256,600,000 |
新株予約権 |
25,600,000 |
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払込金額:75,000円×160株/名×20名=240,000,000円
行使されたストック・オプションの金額:8,000円/個×160個/名×20名=25,600,000円 |
AX7年3月期 ストック・オプションの行使が25名の場合。
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借方 |
貸方 |
勘定科目 |
金額 |
勘定科目 |
金額 |
現金預金 |
300,000,000 |
資本金 |
332,000,000 |
新株予約権 |
32,000,000 |
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払込金額:75,000円×160株/名×25名=300,000,000円
行使されたストック・オプションの金額:8,000円/個×160個/名×25名=32,000,000円 |
BX8年3月期 ストック・オプションの行使が23名の場合。
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借方 |
貸方 |
勘定科目 |
金額 |
勘定科目 |
金額 |
現金預金 |
276,000,000 |
資本金 |
305,440,000 |
新株予約権 |
29,440,000 |
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払込金額:75,000円×160株/名×23名=276,000,000円
行使されたストック・オプションの金額:8,000円/個×160個/名×23名=29,440,000円 |
(2) 自己株式処分の場合
自己株式の取得原価を1株70,000円であったとし、X6年3月期 ストック・オプションの行使20名を自己株式処分で行う場合。
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借方 |
貸方 |
勘定科目 |
金額 |
勘定科目 |
金額 |
現金預金 |
240,000,000 |
自己株式 |
224,000,000 |
新株予約権 |
25,600,000 |
自己株式処分差益 |
41,600,000 |
払込金額:75,000円×160株/名×20名=240,000,000円
処分した自己株式の取得価額:70,000円/株×160株/名×20名=224,000,000円
行使されたストック・オプションの金額:8,000円/個×160個/名×20名=25,600,000円 |
参考:ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針より
INDEX
■仕訳処理目次
■新株予約権
■新株予約権の募集・権利行使・失効
■ストック・オプションの付与
■ストック・オプションの権利行使
■ストック・オプションの失効
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