1 長期請負工事の収益計上基準
売上高は、実現主義の原則に従い、商品等の販売又は役務の給付によって実現したものに限るが、長期の未完成請負工事等については、合理的に収益を見積り、これを当期の損益計算に計上することができる。
長期の請負工事に関する収益の計上については、工事進行基準又は工事完成基準のいずれかを選択適用することができる。
(1)
工事進行基準
決算期末に工事進行程度を見積り、適正な工事収益率によって工事収益の一部を当期の損益計算に計上する。
(2)
工事完成基準
工事が完成し、その引渡しが完了した日に工事収益を計上する。
参考:企業会計原則第二損益計算書三B、同注解7
2 仕訳例
(1) 工事進行基準
次の長期請負工事について、工事進行基準で収益の計上を行う。
建設工事の請負高 105,000,000円
(内消費税5,000,000円)
同上の工事原価見積高 70,000,000円
当期末までの実際発生工事原価 35,000,000円
|
借方 |
貸方 |
勘定科目 |
金額 |
勘定科目 |
金額 |
完成工事未収入金 |
52,500,000 |
完成工事収益 |
50,000,000 |
|
|
仮受消費税等 |
2,500,000 |
完成工事原価 |
35,000,000 |
未成工事支出金 |
35,000,000 |
当期に計上すべき収益:100,000,000円×(35,000,000円÷70,000,000円)=50,000,000円
当期に計上すべき原価:70,000,000円×(35,000,000円÷70,000,000円)=35,000,000円
|
(2) 工事完成基準
次の長期請負工事が完成し、引き渡した。
建設工事の請負高 105,000,000円
(内消費税5,000,000円)
完成工事原価 80,000,000円
|
借方 |
貸方 |
勘定科目 |
金額 |
勘定科目 |
金額 |
完成工事未収入金 |
105,000,000 |
完成工事収益 |
100,000,000 |
|
|
仮受消費税 |
5,000,000 |
完成工事原価 |
80,000,000 |
未成工事支出金 |
80,000,000 |
|
INDEX
■仕訳処理目次
■売上高
■通常の売上
■外貨建売上
■割賦販売
■委託販売
■試用販売
■予約販売
■延払条件付販売
■長期請負工事の収益計上
■売上値引
■売上割戻
■売上戻り
|
|