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その他有価証券(株式)

1 その他有価証券

その他有価証券とは、売買目的有価証券、満期保有目的の債券、子会社株式及び関連会社株式以外の有価証券をいい、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は洗い替え方式に基づき、次のいずれかの方法により処理する。

@ 全部資本直入法

評価差額の合計額を純資産の部に計上する。

A 部分資本直入法

時価が取得原価を上回る銘柄に係る評価差額は純資産の部に計上し、時価が取得原価を下回る銘柄に係る評価差額は当期の損失として処理する。なお、純資産の部に計上されるその他有価証券の評価差額については、税効果会計を適用しなければならない。

参考:金融商品に関する会計基準第18項

2 仕訳例

A 全部資本直入法による場合

(1) 取得時

01年1月末日 D株式を2,000で取得し、代金は当座預金から支払った。このD株式はその他有価証券区分に分類した。

 

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

その他有価証券

2,000

当座預金

2,000

 

(2) 01年3月末日 期末評価

当社は、その他有価証券の区分に分類している次の株式を保有している。

A株式 取得原価  500 期末時価  800 差額  300

B株式  〃    800  〃   1,200 〃   400

C株式  〃   1,000  〃    400 〃  △600

D株式  〃   2,000  〃   1,500 〃  △500

合計   〃   4,300  〃   3,900 〃  △400

・C株は時価が著しく下落し、かつ、取得原価まで回復見込があるとは認められない。

・その他有価証券の帳簿価額と税務上の資産計上顎との差額は一時差異に該当し、税効果会計を適用する。

・実効税率は40%であり、当社は、繰延税金資産の回収可能性に問題はない。

@C株式の評価

C株式は、時価が著しく下落しかつ取得価額まで回復する見込があるとは認められないため、評価差額を当期の損失として処理する。 評価差額については、発生時に税務上の損金処理が認められることを前提している。

 

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

有価証券評価損

600

その他有価証券

600

 

AA株式及びB株式の評価

A株式及びB株式は評価益が生じているため、評価差額は税効果を控除した上で資本の部に計上する。

 

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

その他有価証券

700

繰延税金負債

280

 

 

その他有価証券評価差額金

420

 

BD株式の評価

D株式は評価損が生じているため、評価差額は税効果を控除した上で資本の部に計上する。

 

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

繰延税金資産

200

その他有価証券

500

その他有価証券評価差額金

300

 

 

 

(3) 01年4月期首 評価差額の洗替処理

A株式、B株式、D株式の評価差額の計上は洗替処理によるため、前期末に行った評価差額及び繰延税金資産・負債を期首に振り戻して帳簿価額を取得原価とする。ただし、C株式は減損処理を行っているので、評価差額は振り戻さない。

 

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

繰延税金負債

280

繰延税金資産

200

その他有価証券評価差額金

120

その他有価証券

200

 

(4) 01年5月末日 A株式の売却

A株式を1,000で売却し、代金は当座預金に入金した。売却時の帳簿価額は取得原価500であり、売却1,000との差額500が売却益となる。

 

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

当座預金

1,000

その他有価証券

500

 

 

有価証券売却益

500

 

B 部分資本直入法による場合

(1) 01年3月末日 上記(2)の条件により部分資本直入法で仕訳すると次のようになる。

@C株式の評価

C株式は、時価が著しく下落しかつ取得価額まで回復する見込があるとは認められないため、評価差額を当期の損失として処理する(全部資本直入法と同じ処理 )。

 

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

有価証券評価損

600

その他有価証券

600

 

AA株式及びB株式の評価

A株式及びB株式は評価益が生じているため、評価差額は税効果を控除した上で資本の部に計上する(全部資本直入法と同じ処理 )。

 

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

その他有価証券

700

繰延税金負債

280

 

 

その他有価証券評価差額金

420

 

BD株式の評価

D株式は評価損が生じているため、当期の損失として処理する。

 

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

有価証券評価損

500

その他有価証券

500

 

(2) 01年4月期首 評価差額の洗替処理

@A株式、B株式

A株式、B株式の評価差額の計上は洗替処理によるため、前期末に行った評価差額及び繰延税金負債を期首に振り戻して帳簿価額を取得原価とする。

 

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

繰延税金負債

280

繰延税金資産

700

その他有価証券評価差額金

420

 

 

 

AD株式

D株式の評価差額も洗替処理によるが、前期末に計上した評価損を評価益として期首に振り戻して帳簿価額を取得原価とする。

 

借方

貸方

勘定科目

金額

勘定科目

金額

その他有価証券

500

有価証券評価益

500

 

参考:金融商品会計に関する実務指針より

 


INDEX

仕訳処理目次

投資その他の資産

投資有価証券

満期保有目的債券

その他有価証券(株式)

その他有価証券(債券)

有価証券の保有目的区分変更

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