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意見書│会計基準|注解会計基準第3号一部改正会計基準第14号一部改正(その2)会計基準19号一部改正(その3)適用指針第1号適用指針第1号設例適用指針第7号目次

 

(注)本内容は、企業会計審議会が平成10年6月16日に公表した「退職給付に係る会計基準の設定に関する意見書」から「退職給付に係る会計基準」部分を抜粋したもの及び平成17年3月16日一部改正を加筆したものです。

なお、実務への適用に当っては念のためオリジナルの当該会計基準等を確認して下さい。

退職給付に係る会計基準

平成10年6月16日

企業会計審議会

目次

一 定義

二 負債の計上

三 退職給付費用の処理

四 貸借対照表及び損益計算書の表示

五 複数事業主制度の企業年金の取扱い

六 注記事項


一 定義

1 退職給付債務とは、一定の期間にわたり労働を提供したこと等の事由に基づいて、退職以後に従業員に支給される給付(以下「退職給付」という。)のうち認識時点までに発生していると認められるものをいい、割引計算により測定される。

2 年金資産とは、企業年金制度に基づき退職給付に充てるため積み立てられている資産をいう。

3 勤務費用とは、一期間の労働の対価として発生したと認められる退職給付をいい、割引計算により測定される。

4 利息費用とは、割引計算により算定された期首時点における退職給付債務について、期末までの時の経過により発生する計算上の利息をいう。

5 過去勤務債務とは、退職給付水準の改訂等に起因して発生した退職給付債務の増加又は減少部分をいう。なお、このうち費用処理(費用の減額処理又は費用を超過して減額した場合の利益処理を含む。以下同じ。)されていないものを未認識過去勤務債務という。

6 数理計算上の差異とは、年金資産の期待運用収益と実際の運用成果との差異、退職給付債務の数理計算に用いた見積数値と実績との差異及び見積数値の変更等により発生した差異をいう。なお、このうち費用処理されていないものを未認識数理計算上の差異という。

二 負債の計上

1 負債の計上額

退職給付債務に未認識過去勤務債務及び未認識数理計算上の差異を加減した額から年金資産の額を控除した額を退職給付に係る負債として計上する。

ただし、年金資産については、その額が企業年金制度に係る退職給付債務に当該企業年金制度に係る未認識過去勤務債務及び未認識数理計算上の差異を加減した額を超える場合には、当該超過額を退職給付債務から控除することはできないものとし、前払年金費用として処理するものとする。(注1)

退職給付に係る会計基準の一部改正(平成17年3月16日 企業会計基準委員会)

■ 実際運用収益が期待運用収益を超過したこと等による数理計算上の差異の発生又は給付水準を引き下げたことによる過去勤務債務の発生により、年金資産が企業年金制度に係る退職給付債務を超えることとなった場合の取扱いについて、「退職給付に係る会計基準注解」(注1)1における「当該超過額を資産及び利益として認識してはならない。」との定めは適用しないこととする。

■ このため、実際運用収益が期待運用収益を超過したこと等による数理計算上の差異の発生又は給付水準を引き下げたことによる過去勤務債務の発生により、年金資産が企業年金制度に係る退職給付債務を超えることとなった場合にも、当該数理計算上の差異又は過去勤務債務は、企業の採用する処理年数及び処理方法に従い、費用の減額として処理することになる。

■ 本会計基準は、平成17年4月1日以降開始する事業年度から適用する。

ただし、本会計基準は、平成16年10月1日以後平成17年4月1日前に開始する事業年度から適用することができる。

また、平成17年3月31日から平成17年9月29日までに終了する事業年度に係る財務諸表及び連結財務諸表についても適用することを妨げないものとする。

■ 本会計基準を適用する事業年度前に「退職給付に係る会計基準注解」(注1)1により資産及び利益として認識していなかった超過額(企業年金制度に係る退職給付債務を超える年金試算の額。以下「未認識年金資産」という。)が生じており、本会計基準を適用する事業年度の期首(平成17年3月31日から平成17年9月29日までに終了する事業年度に係る財務諸表及び連結財務諸表から適用する場合には、本会計基準を適用する事業年度の期末)において未認識年金資産が存在する場合には、当該未認識年金資産を過去勤務債務又は数理計算上の差異とに合理的に区分し、本会計基準の適用により当該事業年度の期首に発生したものとみなして、企業の採用する処理年数及び処理方法に従い、費用の減額として処理する。

ただし、未認識年金資産を過去勤務債務又は数理計算上の差異とに合理的に区分することが出来ない場合には、その金額を数理計算所の差異とすることができる。

■ 数理計算上の差異の発生額について当期の発生額を翌期から費用処理する方法を用いている場合(「退職給付に係る会計基準注解」(注9)2参照)でも、本会計基準を適用することにより事業年度の期首に発生したとみなした数理計算上の差異に限り、企業の採用する処理年数及び処理方法に従い、当期から費用の減額として処理する。

2 退職給付債務の計算

(1) 退職給付債務は、退職時に見込まれる退職給付の総額(以下「退職給付見込額」という。)のうち、期末までに発生していると認められる額を一定の割引率及び予想される退職時から現在までの期間(以下「残存勤務期間」という。)に基づき割り引いて計算する。(注2)

(2) 退職給付見込額は、合理的に見込まれる退職給付の変動要因を考慮して見積らなければならない。(注3)(注4)

(3) 退職給付見込額のうち当期までに発生したと認められる額は、退職給付見込額について全勤務期間で除した額を各期の発生額とする方法その他従業員の労働の対価を合理的に反映する方法を用いて計算しなければならない。(注5)

(4) 退職給付債務の計算における割引率は、安全性の高い長期の債券の利回りを基礎として決定しなければならない。(注6)

3 年金資産

年金資産の額は、期末における公正な評価額により計算する。

三 退職給付費用の処理

1 退職給付費用の処理額

当期の勤務費用及び利息費用は退職給付費用として処理し、企業年金制度を採用している場合には、年金資産に係る当期の期待運用収益相当額を差し引くものとする。なお、過去勤務債務及び数理計算上の差異に係る費用処理額は退職給付費用に含まれるものとする。(注7)

2 退職給付費用の計算

(1) 勤務費用は、退職給付見込額のうち当期に発生したと認められる額を一定の割引率及び残存勤務期間に基づき割り引いて計算する。(注8)

(2) 利息費用は、期首の退職給付債務に割引率を乗じて計算する。

(3) 期待運用収益相当額は、期首の年金資産の額について合理的に予測される収益率(以下「期待運用収益率」という。)を乗じて計算する。

(4) 過去勤務債務及び数理計算上の差異は、原則として、各期の発生額について平均残存勤務期間以内の一定の年数で按分した額を毎期費用処理しなければならない。(注1)(注9)(注10)(注11)

四 貸借対照表及び損益計算書の表示

1 貸借対照表において退職給付に係る負債を計上するにあたっては、当該負債は原則として退職給付引当金の科目をもって計上する。

2 新たに退職給付制度を採用したとき又は給付水準の重要な改訂を行ったときに発生する過去勤務債務に係る当期の費用処理額が重要であると認められる場合には、当該費用処理額を特別損失として計上することができる。

五 複数事業主制度の企業年金の取扱い

複数の事業主により設立された企業年金制度を採用している場合においては、退職給付債務の比率その他合理的な基準により自社の負担に属する年金資産等の計算を行うこととする。(注12)

六 注記事項

退職給付に係る次の事項について注記しなければならない。

1 企業の採用する退職給付制度

2 退職給付債務等の内容

(1) 退職給付債務及びその内訳

@ 退職給付債務

A 年金資産

B 前払年金費用

C 退職給付引当金

D 未認識過去勤務債務

E 未認識数理計算上の差異

F その他(会計基準変更時差異の未処理額)

(2) 退職給付費用の内訳

@ 勤務費用

A 利息費用

B 期待運用収益

C 過去勤務債務の費用処理額

D 数理計算上の差異の費用処理額

E その他(会計基準変更時差異の費用処理額、臨時に支払った割増退職金等)

(3) 退職給付債務等の計算基礎

@ 割引率、期待運用収益率

A 退職給付見込額の期間配分方法

B 過去勤務債務の処理年数

C 数理計算上の差異の処理年数

D その他(会計基準変更時差異の処理年数、実際運用収益等)


INDEX

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