仕訳例
A社は保有するB商品の価格変動リスクをヘッジするために商品先物の売建契約(10単位)わ行ったが、B商品の価格が上昇して先物価格が1単位当たり150上昇したため、先物契約に1,500の損失が生じた。この時点で、今後もB商品の価格が上昇すると予測したため、先物契約を解約して決済した。この損失は、ヘッジ会計の要件が満たされている間に発生したものであるので、先物契約の解約後も引き続き資産として繰り延べている。
しかし、その後、B商品の価格が下落してB商品の含み益が大きく減少し、資産として繰り延べた金額を著しく下回ることとなり、この商品の売却時点で重要な損失が生じるおそれがあると判断された。
B商品の取得減価:1単位当たり1,200
B商品の時価(1単位当たり)
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ケース1 |
ケース2 |
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先物契約締結時 |
1,150 |
1,250 |
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先物契約解約時 |
1,300 |
1,400 |
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決算期末 |
1,220 |
1,280 |
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仕訳(単位百万円)
(1) ケース1(ヘッジ取引開始時にヘッジ対象に含み損が存在していた場合)
@ 先物契約解約時
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借方 |
貸方 |
勘定科目 |
金額 |
勘定科目 |
金額 |
繰越ヘッジ損失 |
1,500 |
当座預金 |
1,500 |
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A 決算期末
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借方 |
貸方 |
勘定科目 |
金額 |
勘定科目 |
金額 |
ヘッジ取引損失(P/L) |
800 |
繰越ヘッジ損失 |
800 |
(1,300−1,220)×10単位=800 |
(2) ケース2(ヘッジ取引開始時にヘッジ対象に含み益が存在していた場合)
@ 先物契約解約時
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借方 |
貸方 |
勘定科目 |
金額 |
勘定科目 |
金額 |
繰越ヘッジ損失 |
1,500 |
当座預金 |
1,500 |
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A 決算期末
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借方 |
貸方 |
勘定科目 |
金額 |
勘定科目 |
金額 |
ヘッジ取引損失(P/L) |
700 |
繰越ヘッジ損失 |
700 |
1,500−(1,280−1,200)×10単位=800 |
参考:金融商品に関する実務指針より
INDEX
■仕訳処理目次
■評価・換算差額等
■その他有価証券評価差額金
■繰越ヘッジ損益
■その他有価証券の価格変動リスクヘッジ
■予定取引実行時の処理(予定取引が資産の取得である場合)
■予定取引が利付資産の発生である場合のヘッジの処理方法
■通貨オプションによる予定取引のヘッジ
■包括ヘッジにおけるヘッジ手段に係る損益の配分
■金利スワップによるヘッジ会計の適用
■ヘッジ会計終了時点における損失の見積り
■土地再評価差額金
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