1 取締役会議事録の作成
(1) 取締役会議事録の作成
取締役会の議事については、議事録を作成しなければならない。(会社法第三百六十九条第三項)
(2) 取締役会議事録の記録媒体
取締役会の議事録は、書面又は電磁的記録をもって作成しなければならない。(会社法施行規則第百一条第第二項)
(3) 取締役会議事録への署名又は記名押印
@ 議事録が書面で作成されている場合
出席取締役及び監査役は、議事録に署名し、又は記名押印しなければならない。(会社法第三百六十九条第三項)
A 議事録が電磁的記録をもって作成されている場合
署名又は記名押印に替わる措置として電子署名とする。(会社法第三百六十九条第四項、会社法施行規則第二百二十五条)
2 取締役会議事録の備置
取締役会設置会社は、取締役会の日(会社法第三百七十条の規定により取締役会の決議があったものとみなされた日を含む)から十年間、議事録をその本店に備え置かなければならない。
(会社法第三百七十一条第一項)
3 取締役会議事録に記載すべき内容
(1)
取締役会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。(会社法施行規則第百一条第三項)
一 取締役会が開催された日時及び場所(当該場所に存しない取締役、執行役、会計参与、監査役、会計監査人又は株主が取締役会に出席をした場合における当該出席の方法を含む。)
二 取締役会が法第三百七十三条第二項の取締役会であるときは、その旨
三 取締役会が次に掲げるいずれかのものに該当するときは、その旨
イ 法第三百六十六条第二項の規定による取締役の請求を受けて招集されたもの
ロ 法第三百六十六条第三項の規定により取締役が招集したもの
ハ 法第三百六十七条第一項の規定による株主の請求を受けて招集されたもの
ニ 法第三百六十七条第三項において準用する法第三百六十六条第三項の規定により株主が招集したもの
ホ 法第三百八十三条第二項の規定による監査役の請求を受けて招集されたもの
ヘ 法第三百八十三条第三項の規定により監査役が招集したもの
ト 法第四百十七条第一項の規定により委員の中から選定された者が招集したもの
チ 法第四百十七条第二項前段の規定による執行役の請求を受けて招集されたもの
リ 法第四百十七条第二項後段の規定により執行役が招集したもの
四 取締役会の議事の経過の要領及びその結果
五 決議を要する事項について特別の利害関係を有する取締役があるときは、当該取締役の氏名
六 次に掲げる規定により取締役会において述べられた意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要
イ 法第三百六十五条第二項(法第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)
ロ 法第三百六十七条第四項
ハ 法第三百七十六条第一項
ニ 法第三百八十二条
ホ 法第三百八十三条第一項
ヘ 法第四百六条
七 取締役会に出席した執行役、会計参与、会計監査人又は株主の氏名又は名称
八 取締役会の議長が存するときは、議長の氏名
(2)
次の各号に掲げる場合には、取締役会の議事録は、当該各号に定める事項を内容とするものとする。(会社法施行規則第百一条第四項)
一 法第三百七十条の規定により取締役会の決議があったものとみなされた場合 次に掲げる事項
イ 取締役会の決議があったものとみなされた事項の内容
ロ イの事項の提案をした取締役の氏名
ハ 取締役会の決議があったものとみなされた日
ニ 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名
二 法第三百七十二条第一項(同条第三項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により取締役会への報告を要しないものとされた場合
次に掲げる事項
イ 取締役会への報告を要しないものとされた事項の内容
ロ 取締役会への報告を要しないものとされた日
ハ 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名
4 決議に賛成したものと推定する規定
取締役会の決議に参加した取締役であって議事録に異議をとどめないものは、その決議に賛成したものと推定する。
(会社法第三百六十九条第五項)
5 取締役会議事録の閲覧又は謄写の請求
(1)
株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。(会社法第三百七十一条第二項、会社法施行規則第二百二十六条)
一 議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を紙面又は映像面に表示する方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
(2)
監査役設置会社又は委員会設置会社における上記(1)第二項の規定の適用については、同項中「株式会社の営業時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。(会社法第三百七十一条第三項)
(3)
取締役会設置会社の債権者は、役員又は執行役の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該取締役会設置会社の議事録等について上記(1)第二項各号に掲げる請求をすることができる。
(会社法第三百七十一条第四項)
(4)
上記(3)第四項の規定は、取締役会設置会社の親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。(会社法第三百七十一条第五項)
(5)
裁判所は、上記(2)第三項において読み替えて適用する上記(1)第二項各号に掲げる請求又は上記(3)第四項(上記(4)第五項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該取締役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、
上記(2)第三項において読み替えて適用する上記(1)第二項の許可又は上記(3)第四項の許可をすることができない。
(会社法第三百七十一条第六項)
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